2023 Fiscal Year Annual Research Report
過去最高の時間・エネルギー分解能X線観測によるX線連星系からの質量放出現象の研究
Project/Area Number |
22KJ0607
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富永 愛侑 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | X線連星 / 輻射輸送 / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
Circinus X-1(以下、Cir X-1) は、軌道周期16.6日の楕円軌道を持つ中性子星連星である。この天体は非常に若く、初期の連星進化を理解する鍵であると考えられる。しかし、そのX線変動は複雑であり、統一的な解釈には至っていない。我々は、NICERのX線望遠鏡を用いて、軌道全体をカバーする高頻度(~4時間毎)観測を提案し、データ解析を行なってきた。X線光度の変動の特徴から、stable期、dip期、flaring期に分割し、X線スペクトルを部分的に覆われた多温度黒体放射と、光電離プラズマによる放射からなるモデルで説明することに成功した。特に部分吸収体の変動が観測スペクトルに影響を及ぼすと考えられる。Mg、Si、S、Feの高階電離輝線が軌道周期を通じて観測された。特に、Feの輝線はdip期からflaring期への遷移の過程で吸収線に変化した。光電離度は軌道周期を通じて元素ごとに安定しており、光電離プラズマが軌道に安定して存在することが示唆された。我々は解析結果を踏まえ、方位角に依存して局在する物質が視線方向を遮ることによって、多温度黒体放射が部分的に遮られるというモデルを提案した。このモデルの妥当性を検証するため、代表的な特徴について、MONACO, SKIRTを用いた三次元輻射輸送計算を行った。
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