2021 Fiscal Year Annual Research Report
quantum groups and K-theory
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21J21283
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 侃 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 量子群 / 作用素環 / C*環 / 誘導表現 / K理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所コンパクト量子群とよばれる作用素環論の枠組みで定式化される量子群に関して、Vaesにより構成された閉部分量子群からのC*環への作用の誘導、およびその一般化について研究した。その成果として、しかるべき状況設定で準同型が固有性の類似を満たすならば誘導作用とよべるものが構成できることがわかった。さらに、imprimitivity定理の類似や、制限との間の随伴性などをはじめとする準同型が閉部分量子群を与える場合に知られていた種々の性質が、この誘導作用の一般化においても適切な条件下でやはり満たされることを示した。 さらに、C*環への量子群作用の誘導と制限に関する新たな性質として、環上の加群に関する係数拡大と係数制限の可換性とよく似た関係が古典的な場合と同様に成り立つことがわかった。また、これは上で述べた誘導作用の一般化に対しても成り立つものであることを示した。ここで、この関係が成立するためにはある技術的な条件が仮定に必要なのだが、この条件に対しいくつかの言いかえを与え、多くの状況でこれが満たされることを確認した。 これらの結果の応用として、Bichon-Neshveyev-Yamashitaにより考えられていたタイプのある種の量子群のペアを各々適切に拡大したペアについて、いくつかの圏論的比較を行った。特に、これらの同変KK理論のなす圏が圏同値であることが分かった。またこうして得られた圏同値を用いることで、ある種の量子群作用のなす圏と忘却関手の組が元の量子群を復元しえないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めの計画時に期待していた誘導作用の一般化を適切な仮定の下で行うことができたので、この評価とした。中でも誘導作用と制限の間の可換性が分かったのは当初の期待を超えた良い部分である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要の最後に述べた圏同値は、Potryagin双対を部分的にとることで移りあうような量子群のペアに対してのものとなっている。このようなペアに対する圏同値の例を他にも探していきたいと考えている。また、このような圏同値をBaum-Connes予想の量子群類似などに応用することも今後の課題である。
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Research Products
(2 results)