2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代のDDS開発を志向したエクソソームターゲティングシステムの効率的探索
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21J21685
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國武 厚貴 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
バーコード化small EVライブラリーを用い,特定のマーカータンパク質を発現するsmall EVのサブポピュレーションの放出に特異的にかかわる遺伝子のスクリーニングを行った.スクリーニング結果を用いたパスウェイ解析により,CD63を発現するsmall EVとCD9を発現するsmall EVでは,細胞内での生合成過程が異なっていることを強く示すデータを得た.とくにCD63発現small EVの放出はリソソーム機能やミトコンドリア機能に強い影響を受けることが判明した.この知見を利用し,リソソームやミトコンドリアの機能阻害を起こす小分子を利用することでCD9発現small EVの放出量を大きくは変えないままにCD63発現small EVの放出量を増減させることが可能であることを発見した.これまでのスクリーニング技術ではこのようなsmall EVのサブポピュレーションごとに網羅的遺伝子スクリーニングを行うことは困難であり,本発見は開発したsmall EVのバーコード化技術とそれを用いたスクリーニング技術の有用性を強く示す結果であるといえる.生体内では様々な種類の細胞が様々な 機能をもったsmall EVを放出しており,恒常性の維持や逆に病態の進展に寄与していることがわかっている.本技術の活用によってこのようなsmall EVごとの機能,生合成過程の理解が進めばこれまで未解明であった疾患の理解,さらには治療法の開発へとつながることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発したバーコード化small EVライブラリーとそれを用いたsmall EVの放出に関わる遺子のスクリーニング法によって,これまで知られていなかったsmall EVの生合成過程に関する知見を得ることに成功した.また同じライブラリーを用いたsmall EVの分子プロファイリングや体内動態を変化させる遺伝子のスクリーニング系の開発にも取り組んでおり,そちらについても着実にデータが得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
バーコード化small EVライブラリーを用いたより高度なスクリーニング系の開発を行う.これまでは細胞から放出されたsmall EVライブラリーからバーコードを読むことでsmall EVの放出に関わる遺子のスクリーニングを行ってきたが,今後はsmall EVライブラリーにスクリーニング圧をかけ,望みの性質をもったsmall EVの取得,またそのようなsmall EVの放出に関わる遺伝子の発見によるsmall EV biologyのさらなる理解を目指す.
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Research Products
(1 results)