2023 Fiscal Year Annual Research Report
次世代のDDS開発を志向したエクソソームターゲティングシステムの効率的探索
Project/Area Number |
22KJ0645
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國武 厚貴 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームに代表される細胞外小胞(small Extracellular Vesicles, sEV)は全身の細胞から放出される直径100 nmほどの膜小胞で、内包される物質の送達により健常時、病態時の両方において細胞間コミュニケーションを媒介している。本研究では未解明な部分が多いsEV放出機構の解明を目指し、RNAバーコードを内包したsEV を用いた、sEV 放出制御因子のスクリーニング法を確立した。具体的には,CRISPR/Cas9システムを発現する細胞において、ターゲット遺伝子を決定するgRNAをsEV内へ選択的に封入する技術を開発した。このgRNAによるsEVバーコード化技術をCRISPR screenシステムへ適用し、放出されたsEV内のgRNAの配列と量を測定することで、各遺伝子がsEVの放出に与える影響の大きさを網羅的に定量することを可能にした。我々は本系をCRISPR-assisted individually barcoded sEV-based release regulator (CIBER) screeningと名付けた。CIBERによってsEVの放出に影響をもつ機能的な関連を持った遺伝子のネットワークを解明し、さらなる解析により、sEVの放出にかかわるパスウェイを複数発見することにも成功した。以上より本系は,sEVの放出過程を包括的に理解するのに極めて有用である。 以上の研究期間中の内容をまとめ、最終年度にはプレプリントを公開し、現在学術誌へ投稿している。(Kunitake et al, biorxiv 2023)。また、残りの期間においてCIBERのスクリーニング系と解析系の発展にも取り組んだ。本系が構築されれば、細胞種特異的な放出制御因子の探索やEVの形質を制御する因子の解析などへも応用できると期待でき、この端緒となるデータを得た。
|
Research Products
(4 results)