2023 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜の視索前野キスペプチンニューロンに作用する新奇排卵制御因子の探索
Project/Area Number |
22KJ0686
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大下 雪奈 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 黄体形成ホルモン / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / キスペプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の生殖機能は、視床下部に存在するキスペプチンニューロンからのキスペプチン分泌、およびそれに続く性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)分泌が下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)の分泌を誘起することで制御されている。ヤギなどの反芻動物においてはキスペプチンニューロンは視索前野と弓状核の二箇所に分布し、それぞれLHのサージ状分泌とパルス状分泌を制御している。本研究では、繁殖中枢における機能が不明なペプチド・アドレノメデュリン(AM)について、LH分泌に及ぼす影響およびその作用経路を解明することを目指した。2022年度までの研究により、ラットにおいてAMはLHのサージ状分泌には影響しない一方でパルス状分泌を低下させる、さらにヤギにおいてもAMはLHのパルス状分泌を低下させることが明らかになった。さらに、ラットおよびヤギにおいて、AMは弓状核のキスペプチンニューロンとは異なる経路を介してLHのパルス状分泌抑制に寄与することが示唆された。したがって2023年度は、AMが弓状核キスペプチンニューロン以外の何らかの神経経路および下垂体ゴナドトロフへの直接的作用によりLH分泌を低下させるという仮説のもと、研究を進めた。ラットの脳実質にAMの局所投与を行いLH分泌への影響を検討した結果、AMを視床下部室傍核に投与した場合にLHのパルス状分泌が低下した。一方で、ラットの下垂体前葉細胞をAM添加培地中で初代培養した結果、GnRH刺激下でのLH分泌が低下した。以上より、AMは室傍核の神経経路および下垂体前葉細胞への影響を介してLH分泌抑制に寄与することが示唆された。また以上の成果を、Society for Endocrinologyにて発表した(2023年11月)。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Identification and characterization of dystrophin-locus-derived testis-specific protein: A testis-specific gene within the intronic region of the rat dystrophin gene2024
Author(s)
Keitaro Yamanouchi, Shizuka Kato, Yukie Tanaka, Masanari Ikeda, Yukina Oshimo, Takanori Shiga, Kei Hatamoto, James Chambers, Takuya Imamura, Ryuji Hiramatsu, Kazuyuki Uchida, Fuko Matsuda, Takashi Matsuwaki, Tetsuya Kohsaka
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Journal Title
Journal of Reproduction and Development
Volume: (70)2
Pages: 55-64
DOI
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