2022 Fiscal Year Annual Research Report
超長波長光で活性化されるヘテロマー型ロドプシンNeoRの構造機能解析とその応用
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22J00324
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 穂香 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD) (10964166)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | ロドプシン / NeoR / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
NeoRが持つ、他の微生物型ロドプシンと一線を画したユニークな特徴の一つは、NeoRが別の酵素型ロドプシン(RGC)と融合し、ヘテロ多量体を形成することである。1年目はまず、このヘテロ多量体の単離および構造解析を試みた。NeoRおよびRGCをそれぞれ発現、精製し、プルダウン実験によるヘテロ多量体の再構成を試みたが、安定なヘテロ多量体を得ることができなかった。そこで、プルダウンに用いるアフィニティタグの検討と並行して、クライオ電子顕微鏡を用いたNeoR単独の立体構造解析を試みた。二次元平均画像から、NeoRが単量体として存在することは確認できたが、鮮明な二次構造は観測できず、三次元再構成には至らなかった。この原因として、NeoRの酵素ドメインの運動性の高さが挙げられるため、今後はこれを軽減するための検討が必要であると考えられる。また、当初の目的であった安定なヘテロ多量体を単離するための検討として、他の生物種由来のNeoRにも焦点を当てて研究を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目は、NeoRとRGCのヘテロ多量体について、ロドプシンドメインと酵素ドメインを含めた全長構造解析を達成することを目標としていたが、構造決定には至らなかった。しかし、ヘテロ多量体が不安定であることや、酵素ドメインの運動性が高いことなど、構造解析が成功しなかった要因が特定できており、改善の余地がある。こうした状況を考慮して、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、NeoR単独の構造決定に向けた検討と並行して、安定なヘテロ多量体を単離するためのアフィニティ精製やコンストラクトの検討をおこなっていく予定である。また、他の生物種由来のNeoRも研究対象とし、全長構造解析に適したNeoRホモログの探索も行う。さらに並行して、2年目以降で行う研究に必要な実験条件の検討も進めていく予定である。
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