2023 Fiscal Year Research-status Report
Multi-Scale Asteroid Science by Combining Thermophysics and Dynamical Evolution
Project/Area Number |
22KJ0728
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金丸 仁明 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 小惑星 / 熱物理 / 軌道進化 / プラネタリー・ディフェンス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の2年目では、小惑星の力学シミュレータ「Astroshaper」の機能強化を行なった。Astroshaperは機能ごとに個別のパッケージに分割され、GitHub上で公開されている(https://github.com/Astroshaper)。特に、小惑星の熱物理シミュレーションを行うためのパッケージ「AsteroidThermoPhysicalModels.jl」のバックエンドを強化し、サンプルコードと共に配布した。本研究によって、小惑星の温度シミュレーションが容易に行えるツールが惑星科学コミュニティに提供されており、Astroshaperを活用した解析依頼や共同研究が増えるなど、コミュニティ内での認知度が高まっている。
このシミュレータを使用し、小惑星の力学進化の研究を行なった。小惑星の軌道や自転は、天体表層からの熱放射に起因する圧力によって摂動を受ける。特に、熱放射による小惑星の軌道進化はYarkovsky効果、自転進化はYORP効果として知られている。YORP効果は、小惑星の形状や地形に強く依存する。円形のクレーターが小惑星上に形成することで発生する熱放射トルクがどのように変化するかを計算した。また、衛星を伴う二重小惑星についても熱物理シミュレーションを実施し、衛星の軌道進化に関する示唆を得た。今後は、こうした結果を足がかりとして、小惑星の長期的な力学進化の描像を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小惑星の力学シミュレータ「Astroshaper」の開発は、おおむね順調に進んでおり、公開ライブラリとしてコミュニティに広く共有されている。今後も継続的に機能強化を図っていく。加えて、Astroshaperを用いた小惑星の力学研究も進行中である。今後は、熱放射が小惑星の運動に与える影響をモデル化して、長期的な力学進化を調べていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
小惑星の力学シミュレータAstroshaper(特に、熱物理シミュレーションの機能を提供するAsteroidThermoPhysicalModels.jl)を用いて、広範なパラメータ範囲(小惑星の形状、熱物性、天体暦)で計算を行う。まずは、大規模計算にも使えるように計算コードの機能を整える。
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Causes of Carryover |
2023年度はスケジュールの兼ね合いから、国際学会等への参加が困難であった。2024年度は、国際学会や共同研究先への訪問を通して、より緊密な連携をもとに研究を進めていく。
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