2023 Fiscal Year Research-status Report
送粉者サイズに応じて進化した花の細胞サイズ変異の遺伝的基盤と一般性の解明
Project/Area Number |
22KJ0735
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田路 翼 日本大学, 文理学部, 助手
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 送粉 / 花形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの植物種で花サイズ変異は送粉者サイズ変異との関連によって生じたことが明らかになっている。本研究では、このような花サイズ変異は細胞サイズ変異から由来しているという仮説を建て、野外集団を対象とする花サイズ調査を行った。研究当初は4科6種のハチ媒植物において、花サイズ変異と細胞サイズ変異の相関関係を予備的に見出していたが、今年度の観察により6科10種の植物で花サイズの変異と細胞サイズの相関関係を得た。今後は野外集団における花サイズの地域差(バリエーション)が訪花昆虫の淘汰圧によってもたらされているのかどうかを確かめる。また、花サイズ変異に細胞サイズ変異が効いているのか、細胞数が効いているのかを定量的に示す必要がある。 さらに、6科10種のうち4種の植物では野外共通圃場および人工気象器での栽培を行うことができた。様々な形質のバリエーションを持つ集団由来の株を集めた共通圃場の結果から、3種の植物において花サイズが遺伝的に決定されることが確認できた。引き続き、ゲノム情報を活用して、花筒や距の有無や長大化に関連する遺伝子の探索も合わせて行っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
栽培下では花をつけない植物も多く、サンプルを得るのに苦労する場面もあった。花サイズバリエーションを示した成果についても論文化が遅れているため、成果をまとめることに注力したいと考えている。 様々な植物種の情報を集めていると、自身の用いている材料の中でゲノム情報が明らかになった材料が出てきた。現在では花筒や距の有無や長大化に関連する遺伝子の探索をゲノムワイド関連解析により特定しようと試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラショウモンカズラ、ヤマホタルブクロで花サイズのバリエーションを示した野外研究を完成させているため、これらの論文化を行いたいと考えている。 実験計画としては、ゲノムサイズの小さい植物種に絞り、ゲノムワイド関連解析を行って花サイズに関連する遺伝子の同定を行う。現在のところ候補としてはラショウモンカズラを考えている。また、今後は野外集団における花サイズの地域差(バリエーション)が訪花昆虫の淘汰圧によってもたらされているのかどうかを確かめる。
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Causes of Carryover |
DNA実験に用いる試薬等の購入を考えていたが、おそらく円安の影響で注文前に値上がりし、予算が足りなくなった。そのため、使用に至らなかった予算が生じた。 次年度使用額は来年度の予算と合わせて、当初の予定通り実験用の物品を購入したいと考えている。
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Research Products
(1 results)