• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Annual Research Report

ナス科自家不和合性における重複遺伝子SLF群間の協調的作用機構の定量評価

Research Project

Project/Area Number 22KJ0739
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

増田 佳苗  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2024-03-31
Keywords自家不和合性 / 遺伝子重複 / 全ゲノム比較解析 / 系統樹解析 / セントロメア
Outline of Annual Research Achievements

植物は、遺伝的多様性を広げるために、多様な交配システムを発展させてきた。その中でも、自己と非自己を識別しながら、非自己との交配で子孫を残すシステムは自家不和合性と呼ばれる。これまでの研究から、植物の進化の過程で頻繁に生じる遺伝子重複によって、自家不和合性システムは破壊と再構築を繰り返す可能性が示唆されている。本研究では、ナス科の自家不和合性に着目し、タンデム重複を繰り返す花粉側因子SLF遺伝子群の機能進化を解明することで、植物の交配システムを柔軟に変化させる分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。
高精度ロングリード解読技術であるPacbio HiFiシークエンスを利用して、多様なSハプロタイプを含む自家不和合性および自家和合性システムを持つ系統の全ゲノム比較解析および系統解析を行った。計20~30 Mbに及ぶS遺伝子座の全長配列を取得して、重複遺伝子SLF群の位置関係および遺伝子座内のゲノム特性を調査した結果、S遺伝子座がセントロメア領域付近に存在する可能性が示唆された。また、花柱側因子SRNaseおよび花粉側因子SLF群の系統解析により、SRNaseはナス科が成立する前に分化したことが明らかになった。一方で、SLF群は、複数のSLF群が重複した後に種特異的な分化を開始したことが判明した。dS解析でも、SRNaseの分化時期は古く、一方で同程度のdS値を示すSLF群は存在しなかったことから、既に祖先SLFは失われている可能性が示唆された。また、SLF群の位置関係について、いくつかのSLF群ブロックが検出されたものの、明確な保存性は確認できず、SLF群は頻繁な入れ替りが行われていると考えられた。以上から、全長配列情報と系統解析を組み合わせることで、ある程度のSLF群ブロックを特定できたため、今後の焦点はS遺伝子座における組換え抑制メカニズムの解明にあると考えられる。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi