2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22J10118
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽柴 康仁 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 作用素環 / フォン・ノイマン環 / ユニタリ群 / 接合積 |
Outline of Annual Research Achievements |
群作用から構成した接合積フォン・ノイマン環のユニタリ群についての研究を進めた。特に、「ユニタリ群の部分群があった場合に、それが元の群作用のユニタリ群に接合積フォン・ノイマン環(もしくはこれを拡張したフォン・ノイマン環)の中で内部共役となるための条件」を、接合積フォン・ノイマン環におけるフーリエ係数の情報、および接合積フォン・ノイマン環に自然に付随する準同形写像の言葉を用いて記述することに成功した。これにより、ユニタリ群の内部共役というフォン・ノイマン環の分類において重要な条件を、フーリエ係数というより扱いやすい量を見ることにより判定することができる。この結果については、かなり一般的な設定で証明することができている。また、この研究の中で、テンソル積フォン・ノイマン環の中のユニタリ元がある形に分解するための使いやすい必要十分条件を発見した(こちらも一般的な設定で成り立つものである)。これによって、ユニタリコサイクルの分解に関するポパの重要な結果に短い証明を与えることができた。これらの結果は(現在はプレプリントの)論文として発表している。 また、上記の設定において、あるユニタリ群の部分群が元の群作用のユニタリ群の正規化群に内部共役となる条件(上の条件よりも弱い条件である)についても研究を進め、一般的な設定で部分的な結果を得ることができた。こちらの結果については条件の改善、および具体例への応用を含めて現在も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに進んでいる。最も主要な目的であった接合積フォン・ノイマン環のあるユニタリ群が元の群作用のユニタリ群に内部共役であるための条件についてはおおむね満足のいくものが得られ、論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最も主要な目的であった接合積フォン・ノイマン環のあるユニタリ群が元の群作用のユニタリ群に内部共役であるための条件については十分よいものが得られたため、この方面についてはこの技術を使って新たな具体例についての理解を深めたいと考えている。また、あるユニタリ群の部分群が元の群作用のユニタリ群の正規化群に内部共役となる現象については、現在得られている一般的な結果を整備した後、こちらも新たな具体例への適用を目指したい。
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