2022 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセルマルチオミクスによる泌尿器腫瘍免疫微小環境の経時変化と修飾因子の探索
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22J10792
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 克洋 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / マルチオミクス / 尿路上皮癌 / 免疫微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年シングルセル解析を用いて、腫瘍免疫微小環境を詳らかにする"cell atlas project"が多くのがん種で行われている。しかしながら、泌尿器悪性腫瘍(特に尿路上皮癌)については十分な細胞数のアトラスが未だないのが現状である。また、その多くがsingle cell RNA-seqを用いて作られたアトラスであるが、我々は単一細胞からトランスクリプトーム、エピゲノム、細胞表面タンパクの3層にわたる情報を同時にかつ網羅的に取得可能なDOGMA-seqを利用することで、より精緻に免疫微小環境を特徴づけることを目的としている。 2022年度においては精力的に検体を収集して検体処理を行い、DOGMA-seqのライブラリ作成およびシークエンスは終了した。40症例以上のサンプルを使用し、これらのサンプルをmultiplexすることでシークエンスに関連したbatch effectを極力減らすことに成功し、20万を超える単一細胞のデータセットを得ることができた。 尿路上皮癌の免疫微小環境を構成する細胞種を同定し、これらの表面タンパクの発現状況がどのようになっているか、さらには転写因子のactivityを推定することでgene regulatory networkを同定した。また、腫瘍の局在、悪性度、ステージなどの臨床データと統合し、これらの細胞種の割合がステージの進行と共にどのように変化していくかを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に得ることのできたデータセットは腫瘍をdissociationした後のデータであるため、spatial transcriptome analysisを併用して、相関があると推定された細胞種同士が、空間的に近接して存在しているかどうかを現在検討している。
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