2023 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセルマルチオミクスによる泌尿器腫瘍免疫微小環境の経時変化と修飾因子の探索
Project/Area Number |
22KJ0786
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 克洋 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / 尿路上皮癌 / 膀胱癌 / シングルセルマルチオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
DOGMA-seqと呼ばれるsingle-cell multi-omicsアプローチを用いて、尿路上皮癌の免疫微小環境についてのcell atlas作成を試みた。1年目にDOGMA-seqに使用する検体の収集を行い、dissociationした後に凍結保存した。2年目にこれらのサンプルをを利用してDOGMA-seqを行った。 得られた遺伝子発現プロファイルに基づいて腫瘍細胞に内在するgene programを同定し、特定のgene programが予後と相関することを見出した。Spatial transcriptome analysisを併用し、このgene programの発現が高い腫瘍は免疫抑制性の癌関連線維芽細胞を腫瘍近位に誘導し、immune coldなニッチを形成することを明らかにした。さらに、DOGMA-seqによって得られた表面タンパクの発現状況や転写因子のactivityを推定することで、このgene programを駆動するregulonが同定できた。これらはbulk RNA-seqの結果に基づいて提唱されている従来の分類とは異なる新たな患者層別化を提唱し、尿路上皮癌の潜在的な新規治療標的分子を提供するものである。
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