2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of intrinsically disordered proteins important for protein homeostasis
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22J11958
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 達也 東京大学, 定量生命科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 天然変性タンパク質 / タンパク質安定化 / CRISPRスクリーニング / Heroタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトには超天然変性タンパク質が数百種類存在すると予測されているが、機能については不明な点が多い。本申請課題はこれらの細胞内での重要性と機能の解明を目的としている。 近年報告された超天然変性タンパク質であるHeroタンパク質のタンパク質安定化という機能に着目し、タンパク質が不安定化するストレスにおいて細胞の生存に重要なタンパク質を網羅的に同定することで、超天然変性タンパク質の細胞における重要性を明らかにすることができるのではないかと考えた。 まず、HEK293T細胞とCRISPR-Cas9システムを用いてヒトの約2万個の遺伝子をターゲットとしたスクリーニングを行い、タンパク質安定化に重要な遺伝子を網羅的に同定した。当該年度はこのスクリーニングの結果から高い重要度が示された遺伝子2000個ほどを抽出し、同じ条件で小規模で解像度の高い二次的なスクリーニングを行った。また、このスクリーニングの対象に全長にわたって高い天然変性スコアを持つ「超天然変性タンパク質」も追加することで、タンパク質安定化に重要な遺伝子との比較を試みた。その結果、タンパク質不安定化ストレス下で超天然変性タンパク質の重要度が特に高いという結果は得られなかった。一方で、通常の培養環境での細胞の生存に重要な超天然変性タンパク質がいくつも存在することが明らかになった。これらのタンパク質がどのようにして細胞の生存に寄与しているのかを明らかにするために、次に個別の機能解析を行なった。 生存に重要な超天然変性タンパク質をいくつか選択し、ノックダウン後の遺伝子発現の変化をRNA-seqを用いて解析した。その結果、二種類がミトコンドリアゲノム上の遺伝子の発現に影響を与えることが確認された。現在はイメージング等を用いたさらに詳しい解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノムワイドのスクリーニングとその二次的なスクリーニングを完了し、タンパク質安定化に重要な遺伝子の網羅的な同定を行うことができた。その結果、タンパク質安定化に特に重要な超天然変性タンパク質は同定されなかったが、細胞の生存自体に重要なものを多数同定した。結果のバリデーションも行い、現在はさらに個別の解析段階を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
イメージングを用いた局在の解析や、複数のタイムポイントでのフェノタイプの確認など、引き続き個別の解析を進める。
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