2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん遺伝子DEKによるクロマチン構造への影響とその制御法の解明
Project/Area Number |
22KJ0871
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越後谷 健太 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / クライオ電子顕微鏡 / 構造解析 / がん遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん遺伝子タンパク質DEKのクロマチン結合メカニズムの解明と、DEKの結合がクロマチン構造に与える影響の解明およびその制御法の開発である。クロマチン結合因子であるDEKはさまざまな核内プロセスに関与しているが、その機能メカニズムは不明である。本研究では、ヌクレオソームとDEKの複合体についてクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析を行い、DEKのクロマチン結合様式を解明した。さらに、DEKの結合が高次クロマチン構造に与える影響を解明するために、ポリヌクレオソームとDEKの複合体について構造生物学および生化学的解析を行った。 昨年度の研究結果から、DEK-ヌクレオソーム複合体の立体構造中でDEKのヌクレオソーム結合に重要だと思われるアミノ酸をいくつか選び出した。本年度は、これらのアミノ酸を変異させたDEKとヌクレオソームとの結合試験を行い、変異体DEKのヌクレオソーム結合機能を評価した。この変異体解析によって、DEKのヌクレオソーム結合にはリンカーDNAおよびヒストン表面の酸性領域との相互作用が重要であることが明らかとなった。また、DEKの結合による高次クロマチン構造への影響を明らかにするために、ポリヌクレオソームとDEKの複合体を調製し、原子間力顕微鏡を用いた構造解析を行った結果、DEKの結合によってポリヌクレオソームの構造が凝縮することが明らかとなった。以上の結果を踏まえ、DEKによるクロマチン構造制御のメカニズムについて、学会での発表を行った。
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[Presentation] Structural and genomic analyses of chromatin binding by DEK2023
Author(s)
Echigoya, K., Kujirai, T., Kishi, Y., Saeki, M., Ito, T., Kato, J., Negishi, L., Kimura, H., Masumoto, H., Takizawa, Y., Gotoh, Y. & Kurumizaka, H.
Organizer
第46回分子生物学会