2023 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of high-resolution three-dimensional imaging techhnology using semiconductor optical phased array
Project/Area Number |
22KJ0885
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 憲人 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | メタサーフェス / コヒーレント受信器 / ナノフォトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では光フェーズドアレイの活用を中心に当初検討を進めたが、その過程で同様の光波面制御素子である誘電体メタサーフェスが有用であると明らかになり、方針を転換して研究を推し進めた。メタサーフェスは2次元平面内の偏波、位相を任意に制御できる垂直入射型素子で、レンズやホログラフィといったイメージング分野を中心に広く研究が行われている。私はメタサーフェスの光通信応用に着目し、前年度までにコンパクトかつ空間多重化に対してスケーラブルな偏波多重コヒーレント受信器を提案し、設計・作製したメタサーフェスの基礎特性を評価した。 本年度はまず作製したメタサーフェスを用いてコヒーレント受信器を構築し、伝送実証を行った。マルチコアファイバを用いた空間多重伝送として、4個のコアからの信号を1枚のメタサーフェスで同時に受信することに成功した。これはマルチコアファイバからの偏波多重信号を同時に受信した初めての実証である。この成果は光通信分野のトップカンファレンスの一つECOC (European Conference on Optical Communications)の最難関セッション(ポストデッドラインセッション)に採択され、口頭発表した。 さらに、メタサーフェスの高い偏波変換性能を最大限活用した、局部発信器(LO: local oscillator)の偏波状態に依存しないコヒーレント受信器を初めて提案し、実証した。理論的な解析により、LO偏波状態に受信感度が依存しない受信器が構成可能であること、さらにメタサーフェス1枚で実現可能なことを初めて明らかにし、作製したメタサーフェスを用いて実験的に示した。こちらも光通信のトップカンファレンスOFC (Optical Fiber Communications Conference)のポストデッドラインセッションに採択され、口頭発表した。
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