2023 Fiscal Year Annual Research Report
真に降りたい地点への着陸のための展開型ターゲットマーカーを用いた航法誘導制御
Project/Area Number |
22KJ0943
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠本 哲也 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ターゲットマーカー / 誘導航法 / 小惑星探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,探査機が小惑星の真の降りたい地点に精度良く着陸できる手法を提案するものである.降りたい地点へと着陸を可能にする技術は,より重要な科学的成果を得ることへ貢献できるという点で重要である.これまでの小惑星探査においては,ターゲットマーカーと呼ばれる球が目印として用いられてきた.しかし,球型のランドマークの欠点として,識別が不可能なことから,複数のランドマークを用いた誘導航法が実現できないことである.そこで,本研究では膜型のランドマークを提案し,複数のマーカーを用いて,精度の良い着陸を実現する手法を構築する.本研究では,1)投下から着陸シミュレーションを行い,提案手法の実現性の評価を行った.加えて,2)ランドマークが小惑星表面上で行うリバウンドについて解析を行った. 1)については,まず,着陸精度を比較するシミュレーションを行った.これにより,複数のマーカーを用いることで,目標位置近くにランドマークを置けるため,着陸精度が向上することを示した.また,提案する自己展開型ターゲットマーカーの投下位置を確率的に変化させたシミュレーションを行うことで,どこに落とすべきかという検討も含めた着陸シミュレーションも行った.2)については,小惑星上で行うリバウンド抑制のために用いられる粒子ダンパについて,解析的にエネルギー減衰と跳ね返りの関係を表現した.内部に含まれる小球の半径と個数から,ターゲットマーカーの跳ね返り係数を解析的に表した.これにより,跳ね返り抑制の傾向しか評価できなかったものが,跳ね返り係数自体での比較が可能となった. 以上より,本研究では,投下時の跳ね返り挙動を含めた,新たなターゲットマーカーのコンセプトを提案し,その評価及び妥当性の確認を行った.
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