2022 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体単結晶を用いたGHz応答トランジスタの開発
Project/Area Number |
22J14388
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 大輝 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
|
Keywords | 有機半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
IoT社会におけるセンサ・データ通信デバイスの需要の爆発的増加に伴い、低コストで大量生産が可能な半導体材料、ならびにデバイスの電波による給電・制御に関する研究が加速している。低温の塗布プロセスにより製膜可能な有機半導体を用いたトランジスタは高い生産性を有する材料として期待されているものの、無線給電方式を実装する上では現在作製されている有機トランジスタの5~10倍以上の応答速度の向上が必要となる。本研究では、有機半導体トランジスタの応答速度の向上のボトルネックとなっている、電極・有機半導体の界面および半導体バルクに存在する接触抵抗に関して、材料特性を損なうことのないデバイス実装技術の開発により低減することを目的とし、高分子半導体材料を用いた新しいトランジスタ構造の作製、およびコンタクトドーピングについて検討を行った。この初期検討において従来のトランジスタの同等以下の接触抵抗を示すことが確認でき、今後の研究において更なる接触抵抗の低減が可能となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたC9-DNBDT-NWのアルキル側鎖の分解による接触抵抗の低減手段とは異なるものの、接触抵抗の低減に向けたアプローチについての研究開発を推し進めることができた。今後の研究において1GHz応答の有機トランジスタの作製が可能になることが期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、この高周波応答トランジスタの開発をさらに推し進めるとともに、有機トランジスタの回路開発に取り組む予定である。特にアナログ回路である差動増幅回路の作製においてはトランジスタ各素子において非常に均質な特性を有する必要がある。これには単素子トランジスタの高速性とともに、トランジスタの歩留まり向上や回路全体の設計など、プロセス面における更なる進歩が必要となる。それらを経て高速応答する有機トランジスタデバイスを開発し、有機トランジスタの実用化に向けた取り組みをさらに加速させることを目指す。
|