2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Carrier Transport Process in Undulated Superlattice and Development of High Carrier Density Solar Cells for Hydrogen Production
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22J14682
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 明太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 量子構造 / 超格子 / 電圧損失 / 非発光再結合 / キャリア輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、太陽電池を用いた水の電気分解による水素生成コストの削減に向けて、波状量子構造を用いた高電流密度太陽電池を開発することを目的とした。当初の予定では電流密度をあげることに注力するはずであったが、研究を進めていく内に波状超格子太陽電池における電圧損失が問題となることが明らかになった。そこで、詳細釣り合い理論に基づいた包括的な電圧損失の解析手法を提案した。量子構造太陽電池における電圧損失の解析はこれまで適した方法が提案されておらず、十分な研究がなされてこなかった。本研究によって電圧損失の詳細な解析が可能となり、量子構造太陽電池においては非発光再結合による電圧損失だけではなく、発光再結合による電圧損失も重要になることを明らかにした。また、その成果を用いて新たな量子構造を提案した。その量子構造を用いた太陽電池では、従来よりも高い電流密度と高い電圧の両方を実現することに成功した。具体的にはGaAsP障壁層のP組成を80%という超高P組成にし、厚さを2 nm程度と極薄にし、InGaAs量子井戸層を12 nm程度と厚くした。そうすることで、非発光再結合と発光再結合による電圧損失を抑制しつつ、高い電流密度を達成することに成功した。具体的な数値としては、電流密度を落とすことなく、従来の電圧損失を83 mVから38 mVに削減できた。本研究の成果は水の電気分解に適した量子構造太陽電池を作製する上で重要であると言える。本成果は学術雑誌1報、国際学会2件にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では電流密度をあげることに注力するはずであったが、研究を進めていく内に波状超格子太陽電池における電圧損失が問題となることが明らかになった。そこで、詳細釣り合い理論に基づいた包括的な電圧損失の解析手法を提案した。量子構造太陽電池における電圧損失の解析はこれまで適した方法が提案されておらず、十分な研究がなされてこなかった。本研究によって電圧損失の詳細な解析が可能となり、量子構造太陽電池においては非発光再結合による電圧損失だけではなく、発光再結合による電圧損失も重要になることを明らかにした。この結果を受け、量子井戸部分の厚さを厚くすることによって、電圧損失の問題を改善した。また、電流密度を高く保つために、超高P組成極薄GaAsP障壁層を利用した新たな量子構造を提案・作製した。それにより、電流密度を落とさずに、電圧を向上させることに成功した。電流密度の向上は当初の目標値には達しなかったが、電圧損失の削減に成功したことで、エネルギー変換効率の向上に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、2022度に提案・作製した新たな量子構造を用いた太陽電池の上にInGaP太陽電池を成長して2接合太陽電池を実現したいと考えている。2接合太陽電池の作製にあたってはトンネル接合部分が重要となるが、その部分の条件出しについては昨年度の研究で、ほぼ完了することができた。トップセルのInGaP太陽電池についても量子構造を挿入することを検討している。量子構造を挿入することによって、外部発光効率を高め、InGaP太陽電池の開放電圧の向上が見込まれる。 2接合太陽電池を作製したのちに、その太陽電池を水電気分解セルに接続することで、ことで効率よく水素が生成できることを実証したいと考えている。
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[Presentation] What causes voltage loss in solar cells?2022
Author(s)
Meita Asami, Riko Yokota, Maui Hino, Li Gan, Kentaroh Watanabe, Yoshiaki Nakano, Masakazu Sugiyama
Organizer
UNSW SPREE seminar supported by 2018 US-Australia Institute for Advanced Photovoltaics (AUSIAPV) Collaboration Grant Round 4, grant # 1-SRI001
Int'l Joint Research / Invited