2023 Fiscal Year Annual Research Report
結晶面選択的な光励起キャリア輸送に基づく光触媒のヘテロ構造設計
Project/Area Number |
22KJ0969
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河瀬 侑大 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽光エネルギー変換 / 電極触媒 / 光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
光触媒上の表面反応は電極触媒反応であり、反応速度を決定する電極触媒の電位を反応条件下で測定することは反応機序の解明、そして効率化の戦略の提案のために不可欠である。これまで光電極上の電極触媒電位を測定する方法は開発されてきたが、粉末光触媒上の無バイアスでの水の全分解反応中の電極触媒電位は測定できなかった。これは光触媒表面に電極触媒ナノ粒子を担持した従来型光触媒構造では、電極触媒と選択的にコンタクトすることが困難なためである。 本研究では、水の全分解を進行させるSrTiO3光触媒をCoOOH酸素生成用電極に担持して、逆転型光触媒構造を構築した。次に水溶液中に浸漬させ光を照射し、水の全分解反応中のCoOOH電極電位を測定した。SrTiO3光触媒が光を吸収して生成した正孔がCoOOH電極に輸送されたため、CoOOH電極電位は正側にシフトした。すなわちSrTiO3光触媒がCoOOH電極に印加する電位を直接測定することに成功した。実際に、正側にシフトしたCoOOH電極の電位は、酸素生成反応を進行するために十分な電位に達していた。ガス定量も同時に行い、上記の電極電位測定が水の全分解反応中のオペランド測定であることを確認した。 以上本研究では、光触媒ナノ粒子を電極上に担持するという逆転型光触媒構造を構築し、光触媒反応中の表面電極触媒電位をオペランド測定することに成功した。更に逆転型光触媒上での酸素生成反応において、電極触媒性能を向上させると光触媒活性が向上することも見出した。これらの結果は、光触媒反応における電極触媒設計の重要性を示唆している。
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Research Products
(5 results)