2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on tools to support remote collaborative learning of maker activities that leverage both software and hardware
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22KJ1010
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢作 優知 東京大学, 大学院学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-06-29 – 2026-03-31
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Keywords | メイカー / 空中像 / ワークショップ / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の前半までは特別研究員の採用中断中であり,後半から研究を再開した.このような状況をもとに,本年度の研究実施計画は(1)研究分野の最新状況の調査と研究再開方針の検討,(2)ユーザスタディの実施の2点としていた. (1)研究分野の最新状況の調査と研究再開方針の検討:研究中断中の約1年間の研究分野の進展の調査や,社会的状況の変化を調査し,研究再開方針を検討した.その結果,ソフトとハードを駆使したものづくり活動として空中像を作る活動に着目する方針を立てた.この方針に至る過程で,メイカー教育に関する国際学会であるFabLearn/Constructionism 2023に参加して情報収集とメイカー教育分野の研究者との交流・情報交換をした.この調査により,生物を用いたものづくりであるBioMakingなど従来この分野で中心的に研究されてきた電子回路を含むものづくりとは別のものづくり活動を通じた学びが模索されているという動向を知ることができた. (2)ユーザスタディ:空中像はデジタルな映像を物理空間に存在させることを可能にするためソフトとハードを組み合わせたものづくりの興味深い例である.空中像を作るワークショップで参加者が直面する困難を明らかにすることを目的とする研究を行なった.空中像をつくる活動の研究は少なく,空中像を作る先行実践では製作活動が光学系の組み立てに限られていた.一方で,作ることを通じた学びでは個人的に意義のあるものを作ることが重視される.そこで参加者自身が作りたい空中像を決定するワークショップをデザインし,実施し,困難を分析した.以上の結果を日本教育工学会の春季大会で発表した.そして,発表内容を発展させ論文を投稿した. 加えて,空中像光学系の技術開発の取り組みも進めており,その成果を論じた査読付き論文が出版された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施を予定していた2項目に取り組み,それぞれ成果を得られたことからおおむね順調に進展していると判断した.(1)研究分野の最新状況の調査と研究再開方針の検討では調査結果をもとに再開方針を立て(2)の実施に繋げることができた.(2)ユーザスタディでは対象とする空中像を作る活動で生じる困難を検討し,学会発表を行うことまでできた.さらに,成果を発展させて論文にまとめることまで完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度の研究で得られた成果をもとに学習者の支援の必要性についての検討を深める.本年度の研究ではワークショップで参加者が直面する困難を見出した.この成果を発展させて,生じていた困難のうちツールによる支援で解決すべき困難はどれか,ということを検討する必要がある.なぜなら,学習者は困難を乗り越えることで学習するという側面もあることから,すべての困難を解消することを目指して支援を行うことが必ずしも適切とは限らないからである.支援の必要性を検討し,ツール開発に繋げていくことが今後の研究の方針である.
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Causes of Carryover |
本年度はユーザースタディを計画通り実施した.しかし本年度のユーザースタディの参加者には謝金支払いを行う必要がなかったため,人件費・謝金の支出がなかった.研究の進展に合わせて他の費目の支出に充当したが一部次年度使用額が生じた.次年度のユーザスタディで必要な人件費・謝金等に充当する計画である.
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