2023 Fiscal Year Research-status Report
小胞体・ミトコンドリア接触場形成機構とその生理学的意義の解明
Project/Area Number |
22KJ1154
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 航規 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | オルガネラ間接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは、細胞内のエネルギー変換やアポトーシス制御などの重要な役割を果たす細胞内小器官であり、その機能は生体の恒常性維持に不可欠である。しかし、その制御機構の全容は解明されていない。近年、ミトコンドリアは小胞体との間に物理的な接触場を作り、この接触場がミトコンドリアの機能制御に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。 重要なことに、最近の研究で、小胞体局在タンパク質PDZD8が哺乳細胞にへのるミトコンドリアー小胞体接触場の責任タンパク質として報告された。しかし、PDZD8による接触場形成の分子機構は未だ不明である。そこで、本研究では、PDZD8によるミトコンドリアー小胞体接触場の形成機構の解明を目的とした。接触場形成機構の解明にあたり、まずPDZD8と結合するミトコンドリアタンパク質を同定した。昨年度はまずPDZD8と直接結合するミトコンドリアタンパク質を同定するためのスクリーニング系を立ち上げ、その候補因子の同定を行った。 今年度は、その候補因子の中からミトコンドリアへの局在が知られるFKBP8に着目し、in vitro再構成系でのタンパク質間相互作用解析、電子顕微鏡法解析、蛍光顕微鏡法解析を行い、PDZD8-FKBP8複合体がミトコンドリアー小胞体接触場の形成に必要であることを明らかにした。 次年度は、ミトコンドリアー小胞体接触場の構造解析にあたり、電子顕微鏡法(特に連続切片電子顕微鏡法)解析を深層学習を用いることで高効率化し、包括的かつ定量的な解析を実現する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミトコンドリアー小胞体接触場の形成機構の解明にあたり、その責任複合体として、PDZD8-FKBP8複合体を同定したため。
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Strategy for Future Research Activity |
連続切片電子顕微鏡法解析を深層学習によってハイスループット化することで、ミトコンドリアー小胞体接触場の、包括的かつ定量的な構造解析を実現する。
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Causes of Carryover |
タンパク質複合体の精製方法の最適化を本年度に行う予定であったが、次年度に行うことになったため。
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