2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動依存的な核内構造変化と長期記憶制御機構の同定
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22J23284
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北西 祐貴 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | ニューロン / HP1 / ヘテロクロマチン / 遺伝子発現制御 / 神経活動 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の高次機能を司る脳のニューロンについて、神経伝達の長期増強/抑圧によって神経可塑性が生じることが記憶の形成に大事である。神経伝達が変化するメカニズムには短期間のシナプス局所的な変化がこれまで多く研究されてきた。しかしながら、長期的な神経伝達の変化には核における遺伝子の転写が重要であることは知られているものの、その基盤メカニズムについては研究が遅れている。 これまでの研究から私は核内構造の中でもヘテロクロマチンが神経活動前後に変化する可能性を培養系及び生体内で見出した。そこで本期間では神経活動前後の核内構造の変化と遺伝子発現の変化をChIP-seq、RNA-seqを始めとした次世代シーケンサーを使用した網羅的な解析から明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
神経活動前後の核内構造の変化と遺伝子発現の変化をChIP-seq、RNA-seqを始めとした次世代シーケンサーを使用した網羅的な解析から明らかにしたことに加え、得られた結果から新しい知見が生じていることから当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーを使用した網羅的な解析を、クロマチン構造の変化を数理的に解析するアルゴリズムと統合することで詳細に神経活動前後の変化を記述していく。また、特定の脳領域における核内構造をAAVによって操作し、長期記憶への影響を評価する系を立ち上げた。この系を利用することで実際に生体内でクロマチン構造の変化が長期記憶へ関与するかどうかの可能性に迫っていく。
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