2022 Fiscal Year Annual Research Report
PET診断を志向した芳香環への超高速フッ素18導入反応の開発
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22J23289
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 泰成 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | フッ素化 / PET / ジアゾニウム塩 / 超原子価 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽電子放射断層撮影法(positron emission tomography, PET) は、がん・認知症・循環器疾患などの診断や治療評価に広く活用されてきた。PET 診断には、陽電子放出核種で標識された化合物(トレーサー)が必要である。18F は、PET 用陽電子放出核種の中で最も物理化学的特性のバランスがよく、標識核種として最も利用されている。しかし、18F は放射能半減期が約 110 分と短いため、迅速かつ高収率な合成手法の開発が必要である。これまで、脂肪族の 18F 標識化合物の迅速合成はほぼ達成されてきたが、芳香族に 18F を導入することは困難である。現在でも芳香環への 18F の導入には厳しい反応条件と 18F の半減期に対して長い合成時間が必要であるうえ、低収率に終わることが少なくない。本研究では、芳香族求核置換反応を利用して、芳香環に 18F を短時間で導入できる反応を開発することを目指している。 今回私は、ジアゾニウム塩の高い反応性を活用し、適切な反応設計を行うことで、種々の芳香族分子に対して短時間でフッ素化できる条件を見出した。さらに、ホットな 18F を用いた検討においても 18F を芳香環に導入できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、ジアゾニウム塩を用いて適切な反応設計を行うことで高速フッ素化の条件を見出すことができた。さらに、ホットな 18F を用いた検討においても 18F を芳香環に高速で導入できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
種々のプローブ分子に対して、18F を導入したトレーサー分子の合成に取り組む。
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Research Products
(1 results)