2022 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ担持微粒子を用いた生体材料の免疫学的評価法の開発
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22J14910
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸田 翔太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | バイオマテリアル / THP-1 / マクロファージ / 旋回培養 / バイオマテリアルの炎症性評価 / マクロファージの分極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマクロファージの分極を指標としたin vitroにおけるバイオマテリアルの免疫学的評価法の確立を目指しており、マクロファージを微粒子に担持させることで細胞特性が変化していないマクロファージを調製できると考えていた。 本年度では微粒子に担持させたマクロファージの細胞特性を評価した上で、バイオマテリアルの炎症性評価を行なった。旋回培養によって微粒子に担持されたマクロファージは一般的な静置培養で作製したマクロファージと比較して抗炎症型のM2遺伝子の発現量が高いことがわかった。バイオマテリアルの炎症性評価のため、マクロファージ担持微粒子を材料上に播種した結果、マクロファージは微粒子に留まり、材料側に移動しないことが観察された。マクロファージが微粒子上に留まることで材料に接着しないため、材料の炎症性評価の実施が困難だった。そのため、微粒子を使用しない方針に変更した。微粒子を用いずに旋回培養したTHP-1はマクロファージに分化し、凝集体を形成した。マクロファージ担持微粒子と同様にマクロファージ凝集体はM2遺伝子が強発現していた。旋回速度の検討により、旋回培養時の培地の流れがM2遺伝子を強発現に寄与することが示唆された。またマクロファージ凝集体を培養基材表面に播種すると、凝集体を中心として同心円状にマクロファージが広がって接着することが観察された。凝集体マクロファージはM2遺伝子が強発現を強発現していたが、材料表面に接着するため、炎症性評価ができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マクロファージ担持微粒子を作製して材料の炎症性評価に活用しようと考えていたが、マクロファージ担持微粒子では材料上に播種した後、マクロファージは微粒子に留まり、炎症性評価を行えなかった。そのため、微粒子の使用を見直す必要があり、最適化した培養条件の再検討が必要になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroで凝集体マクロファージを用いた材料の炎症性評価を行う。評価手法はPCR、ELISA、FACSを検討している。また動物実験によるIn vivo評価も実施する予定である。In vivo評価ではマウスの皮下に材料を埋植し、埋植後1, 3, 5週後に材料と周辺組織を採取し、抗体を用いた免疫染色によって組織学的評価を行う。in vitroとin vivoの結果からバイオマテリアルに対するマクロファージの反応の相関性を考察し、動物実験に替わる in vitro の評価手法の確立を目指す。
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