2023 Fiscal Year Annual Research Report
新宗教の儀礼がもつ特徴と機能の解明:世界観とヒエラルキーの再考に向けて
Project/Area Number |
22KJ1273
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
道蔦 汐里 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 新宗教 / 天理教 / 婦人会 / 青年会 / 教祖祭 / カリスマ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主に、①新宗教教団における分野別組織(青年会・婦人会)に関する研究、②新宗教教団が実施する「教祖祭」に関する研究、③新宗教教団が実施する儀礼への参与観察・聞き取り調査・資料収集に着手した。 ①では、天理教婦人会刊行の機関誌を分析することで、新宗教教団における儀礼の伝達・習得に関する活動の諸相や、教団側が理想とする信者像の解明について考察した。なお本成果は、2023年6月の日韓次世代学術フォーラムにて「天理教における「おつとめ」と「女鳴物」に関する言説―婦人会機関誌『みちのだい』の記事分析から―」と題し、口頭発表を行った。また青年会に関しては、沿革史や機関誌などを使用した資料調査と、参与観察・聞き取り調査を通して、教団内における役割などについて考察した。本成果は、2024年2月の「基盤研究B(21H00475)宗教青年会による教化活動の継承と地域の創造―ウィズコロナ対応を視野に入れて」2023年度第9回OL研究会にて「「あらきとうりょう」としての天理教青年会―活動の歴史・組織構造などからみる教内での役割―」と題して口頭発表をおこなった。 ②では、天理教を主な事例とし、新宗教教団で行われる「教祖祭」の意義や役割について考察した。本成果は、2023年9月の日本宗教学会にて「新宗教教団が実施する「教祖祭」の意義と役割」と題して口頭発表をおこなった。 ③では、教団の図書館・本部・教会・支部などにおもむき、新宗教教団の儀礼への質的調査、資料収集・整理に着手した。祭典・儀礼の参与観察、信者への聞き取り、一次資料収集、それらの整理をおこなった。 研究期間全体を通じて、当初の研究計画と比較すると各論的となったが、各儀礼の歴史や今日の実施状況などについて、教団としての意味づけと機能の双方に注目した複合的な視点から検討することができた。
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