2023 Fiscal Year Annual Research Report
Religious exchange and Chain of thoughts in 20th Century East Asia : The Cooperation movement of the Daoyuan-World Red Swastika society and Oomoto-kyo
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22KJ1301
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉置 文弥 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 大本教 / 道院・世界紅卍字会 / アジア主義 / 超国家主義 / 民衆宗教 / 「満洲国」 / 橋川文三 / 出口王仁三郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の計画のうち、今年度は主に研究計画の第二段階および第三段階、すなわち両教団の宗教・政治思想の分析と、その視角から連合運動をアジア主義・超国家主義の思想的系譜に位置付けることを重点的に行った。 具体的な活動としては、学会・研究会発表と博士論文の完成である。学会・研究会発表については、日本宗教学会など大小3つの学会等において発表を行い、それぞれ連合運動の「満洲国」における活動と、昭和神聖会の活動実態について明らかにしたもの、そしてそれらを踏まえアジア主義・超国家主義の思想的系譜に位置付ける発表を行った。 博士論文執筆については以下の通りである。タイトルは『近現代日中におけるアジア主義・超国家主義と「民衆宗教」―大本教と道院・世界紅卍字会の連合運動―』であり、その概要は、「本論文は近現代日中におけるアジア主義・超国家主義と「民衆宗教」の関係を、20世紀前半に発展した日本の大本教と、同時期に中国で勃興した道院・世界紅卍字会という、東アジアの「民衆宗教」が展開した提携・連合運動(1923-1935)を対象として明らかにするものである。具体的には、これまで本格的に論じられてこなかったアジア主義・超国家主義・「民衆宗教」の交錯点を考察したうえで、その視角から連合運動の思想を両教団の教義的言説の分析によって明らかにする。そして運動の実態を、「満洲国」建国など当時の日中間の政治・社会状況と関わらせながら、日中の公文書やメディア資料、また両教団の一次史料および機関紙誌など豊富な史資料を用いて、歴史学的に実証する。」というものである。すなわち、本研究課題の総括的論文である。なお本論文の審査を経て、所属の東工大より博士(学術)学位が授与された。 以上のように、今年度は、研究期間全体を通じて実施した研究の成果を総合した博士論文を完成させ、所期の目的を達することができた。
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