2023 Fiscal Year Research-status Report
化学エネルギーにより駆動するDNA液滴の動的挙動の制御
Project/Area Number |
22KJ1346
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 智也 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | DNA液滴 / DNAナノテクノロジー / 人工細胞 / 自己複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、DNA液滴の成長機構実現のためのDNAナノ構造体の増幅および、核酸酵素を用いたDNA液滴の分裂制御の実現を目標とし、その実現に成功した。DNAナノ構造体の増幅では、増幅機構に必要な機能的配列を持つDNAナノ構造体にDNA増幅酵素を反応させることで、DNAナノ構造体を増幅させることに成功した。さらに、DNAナノ構造体が持つ機能的配列の塩基長が変わることで、形成されるDNA液滴の安定性が変化することや、DNAナノ構造体の増幅効率が変化することを発見した。さらに、それらの知見を基に、NUPACKやoxDNA等のDNA塩基配列設計用のシミュレーションソフトを用いて、増幅機構に最適なDNAナノ構造体を設計することに成功した。DNA液滴の分裂制御では、核酸酵素を用いて、DNA液滴の分裂を誘発するトリガーの生成を時間制御可能な反応系を構築した。また、その反応系をDNA液滴と組み合わせることにより、DNA液滴の分裂の時間制御に成功した。さらに、予定よりも進み、核酸酵素を用いた化学反応系を複数組み合わせることで、DNA液滴の分裂の順番を制御することにも成功した。また、出力される分裂の順番によって複数のmiRNAの濃度を比較可能な、分裂順番制御を用いたDNA液滴ベースの分子コンピューティングの構築にも成功した。また、数値シミュレーションを用いて化学反応系のパラメータの変化が分裂時間に与える影響を調べることにも成功した。これらの結果から、核酸酵素を用いることによって、DNA液滴のダイナミクスを制御できるということがわかってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、DNA液滴の成長機構実現のためのDNAナノ構造体の増幅に成功した。さらに、DNAナノ構造体が持つ機能的配列の塩基長が変わることで、形成されるDNA液滴の安定性が変化することや、DNAナノ構造体の増幅効率が変化することも発見した。また核酸酵素を用いた化学反応系によって、DNA液滴の分裂の時間制御を実現した。また、時間制御を応用することで、分裂の順番制御の実現にも成功した。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、DNAナノ構造体を増幅可能な化学反応とDNA液滴を組み合わせることで、DNA液滴の成長機構の実現を目指す。また、DNA液滴の成長機構と分裂制御機構を組み合わせることで、自己複製可能なDNA液滴の実現を試みる。
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Causes of Carryover |
本年度は、参加予定の国際会議が国内で実施され、交通費を大幅に抑えることができたため、繰越額が生じた。また、繰越した費用は、翌年度に参加予定の国際学会への渡航費用として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)