2021 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling the droplet size distributions of oil-in-water Pickering emulsions stabilized by cellulose nanofibers derived from spent coffee grounds
Project/Area Number |
21J20591
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金井 典子 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 食品・農業廃棄物 / アップサイクル / ピッカリングエマルション / 液滴サイズ分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
エマルションの乳化安定剤として一般的に用いられる合成界面活性剤は、水生環境への汚染が懸念されている。代わりに、環境負荷の少ないセルロースナノファイバー(CNF)を安定剤として用いたピッカリングエマルションの研究が注目を集めている。本研究課題では、食品・農業廃棄物由来のTEMPO酸化型CNF(TOCNF)で安定化された水中油型(o/w)ピッカリングエマルションを調製し、その安定性を最も大きく左右する液滴サイズ分布の制御条件を明らかにすることを目的としている。 はじめに、TOCNF分散液濃度、油の極性、水/油の割合を様々に変化させたo/w型エマルションを調製した。室温で一か月間安定したエマルションを維持するのに必要なTOCNF臨界濃度を推定したところ、0.8-1.0%程度が必要であることが示唆された。レーザー回折式粒度分布計測装置で乳化後一か月間の液滴サイズ分布を追跡し、TOCNF濃度と平均液滴径が反比例関係にあることを見出した。また、共焦点レーザー顕微鏡で油滴およびTOCNFを可視化した結果、ドデカンを油に用いると、油滴は真球状で存在するのに対し、オリーブ油ではフロキュレート構造を形成することが明らかになった。 初年度では、ビール原料栽培における農業廃棄物、ホップ蔓からTOCNFを分離することに成功し、ACS Agric. Sci. Technol.に論文発表した。注目度の高い論文として、雑誌の表紙にも選出された。以上の成果を国際核磁気共鳴会議にて発表を行い、ポスター賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、廃棄物原料に含まれるヘミセルロースやリグニン等を除去する前処理の最適化後にTEMPO触媒酸化を行うことで、およそ2 nm幅のTOCNFを分離する方法を確立した。それらを乳化安定剤として用いて、一か月間安定したエマルションに必要な調製条件の知見を蓄積している。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中でも渡航準備を進め、Western Sydney UniversityにおけるNMR、MRIを使用した国際共同研究を開始した。以上の点から、本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
オーストラリアWestern Sydney University(WSU)に滞在し、国際共同研究を行う。水-CNF-油の複雑な系からなるエマルションのダイナミクスを分子レベルで解明し、長期安定化および乳化破壊に関する新たな知見を得ることを目標とする。 拡散NMR法により、ドデカンおよびオリーブ油を用いたo/w型エマルションの液滴内油分子および水分子の制限拡散測定を行う。最適なモデルを検討して液滴サイズ分布を決定する。また、高分解能MRI(11.7 Tおよび14.1 T)を用いて、目視での観察が困難な乳化破壊の過程(凝集、合一、クリーミングなど)の可視化を試みる。繰り返し時間、エコー時間および拡散パラメータを適切に変化させることで、エマルションを構成するプロトンの環境の違いを反映した各種MR画像(T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像、プロトン密度強調画像)を取得する。緩和時間画像(T1 map、T2 map)および拡散係数画像(ADC mapなど)を構築することで、油滴枯渇領域および濃縮領域をコントラストによる可視化を行う。
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