2022 Fiscal Year Annual Research Report
自然形態の力学的特性解明とその特性を適用したシェル形状最適化;二枚貝を対象に
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21J22129
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
生越 季理 新潟大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 生体模倣技術 / イメージベース有限要素解析 / 3D造形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度行った、貝殻形状の有限要素解析を行う上で障壁であった計算負荷削減のためのモデル改良について、その有効性確認を実施した。ソリッド要素からシェル要素への変更により、計算負荷が90%以上削減され、結果についても変更後モデルの有効性が確認されたため、改良後のモデルを用いた動的解析を行った。モデル改良の手法とその有効性については、予定通り国際学会にて発表を行った。また、動的解析については改良後のモデルを用いて、振動固有値解析および時刻歴応答解析を行い、振動固有値解析の結果について、次年度開催予定の国際学会にて発表するため、投稿準備を行っている。時刻歴応答解析については、その結果の妥当性や考察を行っている。貝殻形状の力学的特性を探るため、本年度は半球ドーム形状の有限要素モデルも作成し、同様の動的解析を行った。双方の結果を比較することで、貝殻形状特有の性質を探っている。 また、最終年度に予定している形状最適化に向け、初期形状の作成や、基礎となる最適化アルゴリズムの設定およびプログラムの作成を進めた。定式化についても、特性の考察とともに、構想を練っている。 加えて、解析対象としているトリガイ試料について、標本化を進め、特性の定量化に必要と考えている数量および月齢の標本化が完了した。トリガイ試料についてCT撮像やモデル化を進め、3Dプリンタによる印刷造形なども試行し、貝殻形状の力学的特性解明のため、加力実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた動的解析結果のとりまとめについて、解析の妥当性評価に想定より時間がかかっており、完了しなかったため。また、形状最適化実行のための初期形状作成や最適化アルゴリズムの設定、基礎となるプログラムの作成を行ったものの、定式化について当初の予定よりやや遅れているためこの評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
動的解析結果についてとりまとめを行うことに加え、その妥当性評価のため文献調査を追加で行うことで、研究を推進させる。また、これまでの解析結果のとりまとめと並行して、定式化の完了以前にも可能な形状最適化プログラムの構築を進め、特性のとりまとめ及び定式化が完了した時点で、すぐに最適化実行へ移ることができるよう、対処する。
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