2022 Fiscal Year Annual Research Report
キルギス語とアルタイ語の対照研究: 補助動詞の用法を中心に
Project/Area Number |
21J40129
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
AKMATALIEVA JAKSHYLYK 新潟大学, 人文社会科学系, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | チュルク諸語 / 記述言語学 / キルギス語 / アルタイ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度にはキルギス語とアルタイ語の文法構造の相違点・類似点を対照することを中心に研究を行った。当初はロシア連邦内にあるアルタイ共和国においてアルタイ語の文法構造に関する約10日間の現地調査を計画していたが、現在、ロシアには渡航できないため、こちらの計画は実施できなかった。そのため、オンライン調査に切り替え、アルタイ語母語話者への言語調査と現地の言語学者・歴史学者らとの研究打ち合わせを重ね、文献及び言語データ収集と分析に当たった。具体的に次のような研究成果が得られた。 1.アルタイ語のオンライン調査を行い、アルタイ語の補助動詞構文、数詞、不定代名詞・否定代名詞についての信頼度の高いデータを得ることができた。 2.キルギス語に関しては10日間の現地調査を行い、現地での言語学者らと有益な意見交換を行った。なお、現地でしか手に入れられない資料や文献などを収集することができた。 3.キルギス共和国滞在中に、キルギス共和国日本外交関係樹立30周年記念にちなんで、日本学・日本語教育国際研究大会にて、基調講演を行った。キルギス共和国文部大臣より「感謝状:学術研究・国際交流活動への貢献」、キルギス共和国日本語教師会委員長より、「表彰状:キルギス共和国日本語教育の発展への貢献」を受賞した。 4.今年度は受け入れ教員の江畑冬生氏と共同でチュルク語の北東グループのサハ語・トゥバ語と北西のキルギス語の文法を対照して類似点と相違点を示した書籍を出版した。 5.今年度の研究成果として、国内口頭発表7回、国外での基調講演1回、招待講演1回、5本の学術論文、1本の書籍を出版した。2023年度の研究機関においても、基本的には当初計画に基づいて研究課題を遂行していく予定である。但し、現地調査については、現地情勢や飛行状況などの急な変更なども見据えながら、柔軟に対応し、場合によって、訪問先を変更する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 ①キルギス語とアルタイ語の言語的な類似点・相違点を発見し、言語類型論的研究に貢献するようなデータを提供することができたためである。 ②昨年度に続き、国内外を問わず、学会などで意見交換や研究発表を通して、今後の課題及び課題解決策を見つけることができたためである。 ③令和4年度はチュルク諸語の北東グループのサハ語・トゥバ語と北西グループのキルギス語の対照研究も進めており、将来的により広範な研究を行うことが整っているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の解明にはキルギス語とアルタイ語のみならず、古代チュルク語やチュルク諸語、または周辺の諸言語に関する資料収集も重要であり、その収集を徹底する。チュルク諸語の北西グループと北東グループ諸言語の言語特徴を比較し、これらの諸言語の相互接触による歴史的変遷の解明を目指す。
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Research Products
(15 results)