2023 Fiscal Year Annual Research Report
新奇トポロジカル超伝導体におけるメゾスコピック伝導の研究
Project/Area Number |
22KJ1507
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池谷 聡 名古屋大学, 高等研究院(工), 特任助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジカル超伝導体 / 超伝導接合系 / 量子輸送現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、トポロジカル超伝導体が示す新奇メゾスコピック伝導現象を開拓・解明することである。特に、理論解析の困難さからあまり扱われてこなかった多端子系に焦点を当て、トポロジカル超伝導体が持つ個性を抽出できるような実験を理論提案することを目指した。 令和5年度の研究では、トポロジカル絶縁体/超伝導体複合構造において極めて制御性の高いジョセフソンダイオード効果が発現することを理論的に示した。さらに、トポロジカル超伝導体によって構成された3端子ジョセフソン接合系に複数のマヨラナ状態が混成することで生じる非局所的な新奇マヨラナ状態(マルチロケーショナル・マヨラナ状態)が発現することを明らかにした。また、マルチロケーショナル・マヨラナ状態が誘起する異常な非局所共鳴散乱を解明した。さらに、副格子自由度をもつ超伝導体において、ベリー位相によって特徴づけられた新奇なアンドレーエフ束縛状態(振動電荷アンドレーエフ束縛状態)が発現することを明らかにした。また、振動電荷アンドレーエフ束縛状態が局所的状態密度とトンネルコンダクタンス・スペクトルの比例関係を壊すという特異な性質を持つことを明らかにした。加えて、新奇磁性物質である交代磁性体と超伝導体を含む多端子接合系における電気伝導現象を解析し、スピン分極したクーパ対分裂という劇的な電気伝導現象が生じることを明らかにした。 研究期間全体を通じて、トポロジカルジョセフソン接合、高次トポロジカル超伝導体、多軌道トポロジカル超伝導体、ボゴリューボフ・フェルミ面をもつ半導体/超伝導体複合構造、およびトポロジカル絶縁体/超伝導体複合構造といった多種多様な超伝導接合系におけるメゾスコピック現象を解析した。さらに、マルチロケーショナル・マヨラナ状態や振動電荷アンドレーエフ束縛状態といった申請者が自ら見出した新奇準粒子が誘起する特異な電気伝導現象を明らかにした。
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Research Products
(8 results)