2023 Fiscal Year Research-status Report
in vivo ライブイメージングを用いた甲殻類の脱皮による形態形成機構の解明
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22KJ1542
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
足立 晴彦 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | in vivoライブイメージング / 脱皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
外骨格で覆われている節足動物の多くは、脱皮直前の古い外骨格の内側に一枚の上皮細胞シ ートからなる原基を折り畳んだ状態で形成し、その折り畳みを脱皮時に物理的に展開させることで形態形成を行う。申請者は、節足動物の中でも、透明かつ水生生物であるためin vivoライブ観察に利点を持つ小型淡水エビに着目した。本研究では当該モデルを用いて、脱皮時のin vivoライブイメージングをすることで、脱皮による形態形成メカニズムの解明を目指している。前年度までに、孵化直後の尾が対象モデルになりうることがわかったため、本年度は孵化直後の個体のin vivoライブイメージングの確立に取り組んだ。前年度までに確立した成体のin vivoライブイメージング系を応用することで、孵化直後から1回目の脱皮までのin vivoライブイメージングに成功した。脱皮の前後では、尾肢の分岐構造がクリアになる変化が存在したが、これについてはTEMによる微細構造の解析から、孵化直後に既にクチクラの分岐として形成されていることがわかった。また、尾節は脱皮の前後で収斂伸長を引き起こすことがわかったが、伸長については組織学的解析よりクチクラの異方性のある折り畳みによって達成されるであろうことが、収斂についてはin vivoライブイメージングにより、孵化後から徐々に近位側で起こることがわかった。得られた結果についてはプレプリントでの公開をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度に得られた結果を応用することで、目的としていた現象の可視化に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今度は、摂動実験により細胞動態の更なる機能解明を目指したい。
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Causes of Carryover |
申請者は本年度より所属機関が異動になり、そのセットアップに時間を要した一方で、前年度までに得られた結果を応用して研究を進めることで、予想以上に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。本年度得られた結果をさらに発展させるため、次年度以降引き続き研究を進行させたい。
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