2022 Fiscal Year Annual Research Report
都市部における自動運転用の衛星測位の高精度化と信頼度の算出に関する研究
Project/Area Number |
22J15783
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高野瀬 碧輝 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | RTK-GNSS / マルチパス / 位置推定 / 自動運転 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における研究活動では,都市部でのGNSS/IMUにおける位置推定手法の位置推定精度の改善を実施した.都市部環境下におけるGNSSを用いる位置推定手法は,GNSS信号がマルチパスすることによることで性能劣化を引き起こすことが課題となる.本研究では,車両軌跡を活用した都市部におけるレーンレベル位置推定手法について着目し,マルチパスによる性能劣化を低減した確率的統合手法によって位置推定精度の向上を図った. 位置推定性能の向上には高精度測位であるRTK-GNSSの活用が必要不可欠である.しかし,上記の従来手法では車両軌跡の誤差を考慮しない拘束条件を用いており,高精度なRTK-GNSSの性能を十分に活用できない課題があった.そこで本研究では従来手法の最適化モデルとグラフ最適化手法における最適化モデルとの類似点を示し,従来の最適化モデルを拡張した.しかし,一般的なグラフ最適化ではマルチパスによる外れ値誤差を含む測位解に引き寄せられ推定値に誤差が生じてしまう.また,後処理を前提とした手法が多く処理時間が長くリアルタイム性に欠けている問題がある.本研究ではマルチパス問題に対して2ステップ最適化を用いることで解決し,処理時間問題に対して最適化する範囲を限定化することで処理時間の低減を確認した.この手法を用いることで従来手法,及び一般的なグラフ最適化手法よりマルチパスに対してロバストかつ高精度に位置推定できたことが確認できた. 今後は,グラフ最適化の副産物として得られる推定誤差共分散と実際の誤差の関係を明らかにすることで,位置推定における信頼度として活用できるかどうか検証する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のテーマではGNSSを用いた位置推定問題における高精度化と信頼度算出である.高精度化については実データを用いて従来手法と比較評価を実施し,提案手法が有効的であると確認された.これらの内容は国内学会で1件発表済みであり,国際学会で1件登壇発表を予定している. 信頼度算出においては,グラフ最適化手法の副産物として出力される誤差共分散を用いる方法を検討している.しかし,推定される誤差共分散の大きさと信頼度の関係性において調査が不十分であることが課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,推定される誤差共分散の大きさと実際の誤差の関係性について,郊外部と都市部において調査を実施する.ここでGNSSの観測尤度を適切に与えることが推定される誤差共分散の妥当性に影響することが想定される.従ってどのように適切なGNSS観測尤度を求めるかが課題となる.この問題に対しGNSSの誤差分布の調査とその近似方法について検討していく.
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Research Products
(2 results)