2022 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型認知症における視覚認知機能障害の背景にある神経回路基盤
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22J23576
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青山 友紀 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 2光子顕微鏡 / アルツハイマー型認知症 / オリゴデンドロサイト / 高次脳機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳領域間の神経細胞活動の時間的制御を行っているオリゴデンドロサイト(OL)およびその前駆細胞(OPC)は髄鞘化を担うことが知られている。アルツハイマー型認知症(AD)では、成熟期におけるこの髄鞘化の制御機構が障害されることで、神経回路活動の時間的制御不全が起こり、高次脳内機能障害が出現すると想起される。そこで本研究では、AD病態を再現するモデルマウスとして時期依存的に神経炎症、記憶障害を呈するAppNL-G-F/NL-G-F mice(ADマウス)を用い、アルツハイマー型認知症における高次脳機能障害の背景にあるOLの機能制御機構を明らかにすることを目標とした。本年度は主に以下2項目に取り組んだ。 ADマウスと野生型マウスの成熟期(生後2,4,6ヶ月)において、(1)免疫組織学的手法、電子顕微鏡により、OPC・OLの形態、機能、遺伝子発現に与える影響を経時的に観察し、時期特異的な髄鞘の障害性を評価・比較した。その結果、6か月齢のADマウスで髄鞘の損傷個数が顕著に上昇することが示された。さらに、OLが形成する髄鞘がAD病期のどの段階で障害されているのかを検討するために、髄鞘関連タンパク質(myelin basic protein; MBP, myelin proteolipid protein; PLP等)の発現レベルを(2)ウエスタンブロット法により評価したところ、6か月齢ADマウスにおいてMBP,PLPの発現が著しく上昇していることが示された。これら(1)、(2)の結果より、ADマウスの生後6カ月齢において、髄鞘の形態及び機能、遺伝子発現的な観点から変化を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた,免疫組織学的手法、電子顕微鏡、ウエスタンブロット法により、AD病期のどの段階で髄鞘が障害されるのかを明らかにした。また髄鞘関連タンパク質の発現をAD病期特異的に抽出し、OPC・OLの機能、遺伝子発現を評価することができたことから、おおむね本年度の研究計画を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、OLの髄鞘障害がADにおける認知機能低下に与える影響を明らかにするべく、右前肢運動学習タスクを用いて、AD病期における認知機能低下を学習の推移を経時的に解析することで抽出する。加えて、運動学習過程における白質のOLのカルシウム活動を生体2光子顕微鏡によりリアルタイムで可視化・数理学的解析を行うことで、髄鞘障害がADの認知機能障害に与える影響を明らかにする。
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Research Products
(3 results)