2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22J00339
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕哉 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | tensor product / product vector / product basis / polynomial |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は, 研究課題に取り組む上で役立ちそうな複数の話題について勉強し, 重要な着想をいくつか得た. その後, 有限体上の部分空間に含まれる線型独立なproduct vectorの個数を評価した. 現在, 自分の健康に配慮した研究活動を行っており, 研究計画の順番を入れ替えて進めている. 以下, 2022年度の研究内容について述べる. 体F上の有限個の有限次元ベクトル空間のテンソル積空間を考える. 既存の研究では量子相関との関係から, Fが複素数体の場合にproduct vector, product basis, 量子相関が小さいベクトルなどを含まない部分空間の最大次元が研究されている. その中で, product basisに関する結果はFが無限体の場合に完全に解かれており, 有限体の場合は部分的な結果が知られていた. そこで, 2022年度は先行研究の個数評価を有限体の場合に拡張し, product basisに関する結果をFが有限体の場合にも証明した. また, 先行研究の個数評価が体Fに依存しない形としては最良であること, 体F依存性を含めるとF上の多項式の既約因子が関係することなども示した. しかし, 課題も残る. たとえば, 今回得られた有限体の場合の個数評価は (一般には) 最良ではなく, まだ改善の余地がある. また, 上のproduct basisに関する結果より強い主張が存在するはずだが, (Fが複素数体の場合を除いて) 具体的にわかっていない. 複素数体の場合には "より強い主張" が知られているものの, 未解決である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が複数あるため, 研究自体はかなり進展している. 一方, 自分の健康に配慮する必要があるため, 論文にまとめる作業は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の順番を入れ替えたので, 元々最初に取り組む予定だった数列の分布に関する個数評価に取り組みたい. また, "研究実績の概要" にも書いたように, 今回得られた有限体の場合の個数評価はまだ改善の余地がある. 2023年度中には (改善の成否に関わらず) 区切りをつけたい. さらに, 有限体上のベクトル空間は符号の構成に用いられるため, 応用分野の情報収集を適宜行う予定である.
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