2023 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体チップテクノロジーを応用したマルチプレックス遺伝子診断デバイスの開発
Project/Area Number |
22KJ1627
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
夏原 大悟 豊橋技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロ流体デバイス / ラボオンチップ / 多項目遺伝子診断 / LAMP法 / マイクロミキサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ウイルス感染症,食物アレルギー物質の遺伝子レベルでの早期診断を目的とし,微小流体制御技術と等温遺伝子増幅法(LAMP法)を組み合わせることで,1回の検査で複数種類のウイルス・食物アレルギー物質を迅速に検査が可能なマイクロ流体デバイスの開発を行った.複数の標的遺伝子を同時に診断するための技術として,①マイクロ流路中においてサンプルおよび試薬を複数の反応容器に自律的に分注する流路デザインを考案し,その設計指針を確立した.続いて,②検査の信頼性向上のために,マイクロ流路内で高効率に試薬と検体サンプルを自律的に混合することができ,かつ1回のプロセスで作製が可能な再現性が高いマイクロミキサを考案した.③さらに,比色指示薬を用いた遺伝子増幅反応中の反応容器の色をモニタリングし,画像解析することで標的遺伝子の定量化を行える画像色解析システムを開発した.④また,サンプルと試薬を送液する手法として,遠心力を用いた微小溶液の送液手法を開発し,多検体の同時送液を行えるデバイスを開発し,その流路デザインの設計指針を明らかにした.⑤さらに,検体サンプルの段階希釈を自律的に行うことができる希釈デバイスへ開発を展開することができた.開発したデバイスを用いることで,感染症ウイルスでは,新型コロナウイルス(COVID-19),インフルエンザA型,インフルエンザH1N1型,SARSウイルス,小児感染症である単純ヘルペスウイルス1型および2型の迅速診断を実証した.食物アレルギーでは,小麦,そば,落花生の同時迅速診断が可能であることを実証した.また,違法植物・有毒植物である,大麻草ならびにイヌサフランの迅速検出も実証した.
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