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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Evolutionary processes and genetic mechanisms of host shifts in Orobanche boninsimae, a parasitic plant endemic to the Bonin (Ogasawara) Islands

Research Project

Project/Area Number 21J21900
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

西村 明洋  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2024-03-31
Keywords寄生植物 / 進化 / 集団遺伝 / 遺伝的メカニズム / ハマウツボ科 / RAD-seq / RNA-seq / 小笠原諸島
Outline of Annual Research Achievements

本研究は寄生植物シマウツボに着目し、種内および近縁種間における宿主転換の進化過程や遺伝的メカニズムを統合的に解明することを目的としている。
2021年度は、宿主転換の進化過程解明のために、シマウツボおよび近縁種ハマウツボの乾燥試料を現地調査においてサンプリングした。乾燥試料から解析に十分量のDNAを得るための抽出・精製方法を確立し、以降の解析のためのDNAサンプルを用意した。今後、準備したDNAサンプルを用いてゲノムワイドシーケンス(RAD-seq)を行い、シマウツボおよびハマウツボの集団遺伝構造を解析することで、シマウツボ‐ハマウツボ種間、シマウツボ種内での宿主転換の進化過程解明を目指す。
また、シマウツボの宿主転換の遺伝的メカニズム解明のために、シマウツボ・ハマウツボの根、種子についてRNA-seqを行い、発現遺伝子を解析した。寄生生活に重要な遺伝子の一部に着目して、遺伝子シマウツボの種内や種間で変化した遺伝子を探索した結果、ハマウツボ科寄生植物の発芽に重要な遺伝子配列が複数見られ、種間では宿主の種ごとに変化していた。一方で、シマウツボ種内の集団間では宿主の種ごとの変化が見られなかった。今後はこの遺伝子を含めてより網羅的に解析し、種間・種内での遺伝的メカニズムの進化の違いを精査する。
シマウツボの進化を研究するにあたり、その基礎的な知見である繁殖生態を現地調査により明らかにした。現地調査でシマウツボおよびハマウツボを観察し、花を物理的に隔離して送粉者を除去する実験を行うことで、送粉様式や自殖および他殖による種子生産を調査した。その結果、シマウツボ以外のハマウツボ属植物とシマウツボで送粉者の種類などの繁殖生態が異なることが分かった。本研究成果について、日本植物分類学会第21回大会において口頭発表を行った。また、国際ジャーナルに投稿し、現在は査読審査の段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、寄生植物シマウツボとその近縁種における宿主転換の進化過程および宿主転換の遺伝的メカニズムの2点について解明を目指している。
宿主転換の進化過程解明には、DNA配列情報を用いたゲノムワイドシーケンスを用いる予定である。本実験には高濃度で不純物の少ないDNA試料が必要であるが、シマウツボは分布および出現時期の限られた植物であり、準備が難しい。よってシマウツボを用いた高濃度DNA試料の抽出・精製方法の確立に手間を要したが、最終的にゲノムワイドシーケンスを行う準備が完了した。
宿主転換の遺伝的メカニズムについて、2021年度ではシマウツボの根、種子試料を用いてRNA-seqから解析まで行った。宿主転換に関わる遺伝子が見つかり、解析は順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

宿主転換の遺伝的メカニズムについては、現地調査で人工自家授粉を行った種子からRNAを抽出し、前年度より詳細な個体レベルでの解析を行う。具体的には、シマウツボおよびハマウツボで見られた複数の発芽遺伝子配列が同一個体内の遺伝子重複によるものか個体間で異なる遺伝子をもつかを区別し、シマウツボ個体と個体が寄生していた宿主の種類の関連を解析する。また、準備したDNAサンプルを用いてRAD-seqを行い、シマウツボおよびハマウツボの種間・種内系統関係を解析する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 海洋島におけるハマウツボ属寄生植物の送粉者シフト2022

    • Author(s)
      西村明洋, 高山浩司
    • Organizer
      日本植物分類学会第21回大会.

URL: 

Published: 2022-12-28   Modified: 2023-08-01  

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