2023 Fiscal Year Annual Research Report
懐かしさ感情の生起メカニズムの解明:再認記憶の二重過程モデルに基づく検討
Project/Area Number |
22KJ1688
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 寛香 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 懐かしさ / 自伝的記憶 / パターン分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,以下の3点を実施した。 1. 懐かしさとパターン分離の関連性についての研究: 想起する自伝的記憶の種類(一度きりの出来事,繰り返される出来事)が懐かしさの強度に及ぼす影響はパターン分離によって調整されるかを,20-59歳を対象としたオンライン実験で検討した。パターン分離の指標として,視覚刺激の再認と弁別を求めるMnemonic Similarity Taskの回答データに基づいて算出される弁別指標(Lure discrimination index)と,Multinomial processing treeモデルに基づいた分析から得られるパラメータを使用した。懐かしさの強度を従属変数とした混合効果モデルによる分析の結果,パターン分離の調整効果はみられなかった。探索的分析として,パターン分離の指標の代わりに再認指標 (REC) を投入した場合も,RECの調整効果はみられなかった。これらの結果は,想起する自伝的記憶の種類が懐かしさの強度に及ぼす影響は,視覚刺激の弁別・再認能力によって調整されない可能性があることを示している。 2. 想起する出来事の種類が懐かしさの強度に及ぼす影響についての研究: 想起する自伝的記憶の種類が懐かしさの強度に及ぼす影響をオンライン実験で検討した。実験では大学生を対象とし,学生時代の出来事(一度きりの出来事,繰り返される出来事)の想起と記述を求めた。懐かしさの強度を従属変数とした混合効果モデルによる分析の結果,想起する自伝的記憶の種類の効果は非有意であった。 3. 懐かしさ自己不連続性が与える影響についての論文執筆: 2021年度に実施した研究のデータを詳細に分析し,論文の執筆作業を進めた。 本プロジェクトの研究期間全体を通じて,懐かしさの生起に関連する自伝的記憶の種類と,関連しないと考えられる変数を明らかにすることができた。
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