2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation and application of charge to spin conversion in topological crystalline insulators
Project/Area Number |
22KJ1719
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西嶋 泰樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジカル結晶絶縁体 / 反転対称性 / 非線形 / 光電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
時間反転対称性と空間反転対称性が同時に破れた系で,直線偏光の照射による光電流(Injection電流)が報告されている.本研究ではエッジ領域にスピン蓄積させたPt細線に対して,偏光角を制御した直線偏光を照射し,生じる光電流をマッピングする実験を行い,Pt,W,Cuにおいて上記のようなInjection電流が生じることを実験的に確かめた.観測された光電流は蓄積しているスピンの向きやエッジの向き,直線偏光の角度に依存しており,時間反転対称性と空間反転対称性が同時に破れて生じるInjection電流であるという証拠を得た.また,Cuでのスピンホール効果によるスピン蓄積を反映したInjection電流も観測されており,スピン軌道相互作用の小さい軽金属のスピンホール効果を確認することができる手法であることが示唆された.このようなエッジ領域における対称性の破れに基づく現象の観測は,材料の物理状態を確認する上で有効な手法であり,トポロジカル絶縁体をはじめとする新規材料の探索を加速することが期待される成果である.前年度にはトポロジカル結晶絶縁体において対称性の破れに起因する非線形ホール効果,およびそのスイッチングに成功しており,研究期間全体を通して,対称性の破れに起因する伝導現象を新たな材料や系において観測しており,トポロジカル結晶絶縁体の物理現象の理解を深めるうえで重要な研究成果を報告することができた.スピン蓄積によるエッジ領域での光電流の観測は,電流-スピン流変換現象を観測する新たな手法であり,トポロジカル結晶絶縁体の電流-スピン流変換現象の観測,定量化へと展開可能な成果である.
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Research Products
(5 results)