2022 Fiscal Year Annual Research Report
Plant utilization strategies by mammals in alpine ecosystems of the Kyrgyz Republic
Project/Area Number |
21J23216
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
義村 弘仁 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | ネコ科動物 / 食性 / メタバーコーディング / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
解析済みであったユキヒョウのサンプルについて、追加解析を行なった。その結果から、キルギス共和国において野生のユキヒョウが利用している植物種についての知見が得られ、スウェーデンで開催された「International Society for Behavioral Ecology Conference 2022」において、ポスター発表を行った。なお、本国際学会では、ISBE Travel Awardを獲得した。 9月から12月にかけて、キルギス共和国にて延期していた現地調査を実施した。3つの調査地で野外調査を行い、100以上の哺乳類の糞サンプル採取に成功した。渡航中に、現地で開催されたユキヒョウの保全に関する国際会議に参加し、キルギス共和国以外でのユキヒョウの保全状況についての情報や、関係者とのディスカッションを行なった。 帰国後、採取した糞サンプルについてDNAを用いた種同定を行った。その結果、肉食動物・雑食動物63サンプル、植物食動物27サンプルが得られた。これらのサンプルについて、脊椎動物に共通する1領域、植物に共通する3領域、イネ科植物に共通する1領域をそれぞれPCRで増幅し、ライブラリを作成した。 次年度には、これらのライブラリを次世代シーケンサーを用いて解析し、各動物種が利用している植物種組成の違いを明らかにする予定である。解析済みのデータと組み合わせることで、哺乳類の植物利用戦略に加えて、肉食動物の植物食の特徴についても知見が得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7月から8月にかけてスウェーデンに渡航し、International Society for Behavioral Ecology Conference 2022でポスター発表を行った。 9月~12月にキルギスに渡航し、新型コロナウイルスの影響で延期していた現地でのフィールドワークを実施した。100以上の糞サンプルを採取し、抽出したDNAから90サンプルの種同定に成功した。種同定済みのサンプルについて餌動物・植物のDNAを増幅し、メタバーコーディング用のライブラリ調整も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は4月から5月にかけてキルギスに再度渡航し、哺乳類のサンプル採取を行う予定である。帰国後、メタバーコーディング・解析を進めていく。本研究の最終年度であるため、論文執筆に取り組むとともに所属機関において博士論文執筆にも取り組む。
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