2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mapping synaptic cleft proteomes by photoactivated proximity labeling
Project/Area Number |
21J23228
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
高遠 美貴子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 近傍ラベル化法 / プロテオミクス / インタラクトーム / 神経伝達物質受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
生まれたばかりの動物の神経系では、シナプスの形成と除去が盛んに行われ、神経伝達物質受容体の局在も大きく変化する。例えば、興奮性神経伝達物質受容体であるAMPA型グルタミン酸受容体は、生後発達期の小脳においてプルキンエ細胞の細胞体から樹状突起へ移行することが知られている。この過程でAMPA型グルタミン酸受容体の周辺環境や相互作用するタンパク質が大きく変化することが予想されるが、その詳細は明らかになっていない。令和4年度は、我々が開発した光駆動近接ラベル化法を幼若期のマウスに展開し、生後発達期の小脳におけるAMPA型グルタミン酸受容体の近傍プロテオームの変化を追うことで、神経回路の成熟過程に対する理解を深めることを目指した。
幼若期マウスは成年マウスと比較して脳が小さく、AMPA型グルタミン酸受容体の絶対量も少ない。そのため、令和3年度中に確立した成年マウスを使った実験系とは異なる方法でラベル化試薬を投与する必要があった。試薬投与方法の検討を重ねた結果、生後8日と生後13日のマウス脳内のAMPA型グルタミン酸受容体近傍プロテオームの「スナップショット」を捉えることに成功し、シナプス形成に関わるタンパク質を各日齢で複数同定することができた。
また、成年マウスの海馬と小脳におけるAMPA型グルタミン酸受容体および抑制性神経伝達を担うGABAA受容体の周辺プロテオミクスのデータの再現性も確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、幼若期マウスに特化した近傍ラベル化プロトコールの確立に成功した。令和4年の夏頃に質量分析装置が故障したためプロテオミクスデータの取得に遅れが出たが、年度末までに回復し、故障前後でのデータの再現性も確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、生後発達期で同定されたAMPA型グルタミン酸受容体近傍タンパク質をより深く調べる。具体的には、免疫染色やイメージング技術を用いてAMPA型グルタミン酸受容体との空間的および機能的な関係を明らかにする。
また、これまでは神経伝達物質受容体の細胞外近接タンパク質を標的としていたが、細胞膜透過性のラベル化試薬を新たに開発し、細胞内の相互作用タンパク質の解析も試みる。
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