2023 Fiscal Year Annual Research Report
DNAカーテン上の複製フォーク超複合体の一分子観察
Project/Area Number |
22KJ1763
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺川 まゆ 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | DNA複製 / 一分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、DNA複製を一分子観察することを大きな目標として進めてきた。本研究では、ピュアな条件で反応を追うことで、DNA複製の分子機構の詳細を一つずつ追っていきたいという目的があり、そのため再構成系を確立する必要があった。ゆえにまず初年度には、DNA複製再構成で必要な必須タンパク質の精製を行った。その後、それらのタンパク質がそれぞれ機能を保持しているのかを数種類のアッセイを用いて確認した。続いて次年度には、それらのタンパク質の一部を用いて、一分子観察を行うための条件検討を始めた。DNA複製の初期段階では、まずORCがDNAに結合し、その後Cdc6やMcm2-7/Cdt1複合体がリクルートされpre-RC(pre-replication complex)を形成することが知られている。この複合体を本研究のキーポイントであるDNAカーテン上で形成し観察することを目指した。そのためDNAカーテンの作成方法を取得し、安定的にDNAカーテンを作成できるよう努めた。その後、各種タンパク質をチャンバーに添加することによって、pre-RCをDNAカーテン上に形成させた。pre-RCの形成は、蛍光ラベリングした抗体を用いることによって行った。それぞれのタンパク質の適切な濃度を検討し、どのタイミングで蛍光ラベリングするのが良いのかを調べた。その結果、最終年度にはpre-RCの形成を安定的に観察できるようになった。そこで、このpre-RCをDNA上のロードブロックとして考え、DNA上を移動するコンデンシンと衝突したときに、コンデンシンやpre-RCがどのような挙動を示すのかを調べることにした。その結果、ユニークなコンデンシンの挙動が観察でき、pre-RCとコンデンシンの興味深い関わりが示唆された。
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