2023 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of metal-organic soft materials based on quantitative analysis of hierarchical structures
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22KJ1784
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立石 友紀 京都大学, 高等研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 金属錯体多面体 / 金属錯体ソフトマテリアル / 自己集合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金属錯体多面体(以下MOPs)を「空間単位」として定義し、リンカー分子との自己集合によって構築される階層構造(金属錯体ソフトマテリアル、以下MOSOM)の創出とその機能開拓を目的とする。その課題は、(1) MOPを構成する多座配位子とMOPを連結するリンカー配位子のライブラリ拡張を通じた階層構造パラメーターの解明、(2) 配位活性金属イオンを1次構造分子とする多彩なMOSOMの創出である。本年度は、課題1と2に対して、新規MOPsの合成と構造同定、ならびに物性機能の一つとしてガス吸着能の評価を中心に研究を進めた。 課題1に関して、前年度に合成した、12個のカルバゾールジカルボン酸(以下, HCz)からなる八面体型ロジウムMOP(HCzRhMOP)の表面に12個のベンジル基を導入した構造に対応する、9-ベンジル-9H-カルバゾール-3,6-ジカルボン酸(BnCz)からなる八面体型ロジウムMOP(BnCzRhMOP)を新たに合成した。さらに、MOP合成の段階でHCzとBnCzを混合して反応させたことで、MOP 1分子上に導入されているベンジル基の数を1,3,6,9,11個にそれぞれ調整したHCz/BnCz混合MOPを合成した。一連のHCzRhMOPとBnCzRhMOP、そしてHCz/BnCz混合MOPを用いてガス吸着能を評価した結果、MOP表面に導入されたベンジル基の数が増えれば増えるほど、ミクロ孔へのガス吸着能は線形に低下することを見出した。 課題2に関して、前年度に合成したジベンゾ[b,d]チオフェン-2,8-ジカルボン酸とロジウム二核パドルウィール錯体からなる八面体型ロジウムMOPの金属イオンをルテニウム二核錯体に置き換えた新規八面体型ルテニウムMOPを合成し、単結晶X線構造解析により構造同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、既知のMOP合成における知見を元に、MOPを構成する多座配位子のライブラリを拡張した。MOP表面に導入した官能基の数が増えることによってガス吸着能が線形に低下していくことを見出した。また配位活性金属イオンの一つとしてルテニウムイオンからなる新規MOPの合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに合成できた八面体型MOPsと、リンカー分子との自己集合による金属錯体ソフトマテリアル形成を行い、反応条件および構造情報を定量化する。併せてガス吸着能や機械応力への応答性などの詳細な解析を進める。また、これらの知見を元に新規MOSOM合成にフィードバックする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた要因の一つは、本研究計画の根幹となるロジウム原料の価格の下落である。本研究費の申請(2022年度初頭)時点での1トロイオンス(約30g)あたりの値段は20100ドル(当時のレートで約232万円)だったのに対し、2023年7月5日には4000ドル(当時のレートで約58万円)だった。一方で、ロジウムの価格は2024年現在で微増傾向にある上、円安や地政学的な影響を受けて今後もいつどのくらい高騰するかを予測することは困難である、次年度以降は、本研究成果を受けた固体材料化を見据えて、より多くのロジウム原料を必要とする予定であり、物品費の支出は増加する予定である。
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[Journal Article] Porous soft materials with liquid-glass-crystal interconvertibility based on metal-organic polyhedra2024
Author(s)
Po-Chun Han, Chia-Hui Chuang, Shang-Wei Lin, Zaoming Wang, Mako Kuzumoto, Xiangmei Xiang, Shun Tokuda, Tomoki Tateishi, Alexandre Legrand, Min Ying Tsang, Hsiao-Ching Yang, Kevin C.-W. Wu, Kenji Urayama, Dun-Yen Kang, Shuhei Furukawa
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Journal Title
ChemRxiv
Volume: -
Pages: -
DOI
Open Access / Int'l Joint Research
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