2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J01525
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
酒井 良祐 東京工業大学, 工学院, 助教
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン / オークション / 耐戦略性 / 効率性 / 公平性 |
Outline of Annual Research Achievements |
貨幣移転を伴う同質財配分問題において、貨幣移転についてなんら制約が存在しない場合、Vickreyルールが効率性や公平性、耐戦略性といった望ましい性質を満たすことが知られている。しかし貨幣移転に制約が存在する場合、Vickreyルールは厳密な意味での公平性や効率性を満たさず、また耐戦略性も保証されない。本研究では貨幣移転の離散性を仮定したもとで、耐戦略性と弱い意味での公平性を満たすルールを分析した。得られた分析結果は以下の通りである。 (1) 一定以上の支払意志額をもつひとびとのなかで財を獲得する個人を決定するタイブレーキングを用いてVickreyルールを拡張したルール、タイブレーキング拡張Vickreyルールを導入し、弱い効率性と耐戦略性を満たす一般的なルールは唯一非妥協的(uncompromising)なタイブレーキングを伴うVickreyルールであることを示した。 (2) 離散的貨幣移転の環境における公平性の概念として、d-公平性(非羨望性、匿名性、水平性)という概念を導入し、d-非羨望性と耐戦略性を満たす一般的なルールもまた非妥協的(uncompromising)なタイブレーキングを伴うVickreyルールのみであることを示した。 上述したタイブレーキングはひとびとの情報に基づき財を獲得する個人を決定する関数として定義されているが、タイブレーキングを外生的に与えた場合、以下の結果が得られた。 (3) 外生的に与えられたタイブレーキングを遵守するd-匿名性(または)と耐戦略性を満たすルールは唯一そのタイブレーキングを遵守するVickreyルールである。また、そのルールは集団による虚偽の情報申告を防ぐ(連立耐戦略性を満たす)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の拡張としてマッチングモデルとの対応を分析しており、ディスカッションペーパーの公開が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
契約付きマッチング理論への拡張を分析したのち、ディスカッションペーパーとして本研究を公開する。そののち本研究を異質財配分問題に応用し、理論分析を行う。
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Research Products
(4 results)