2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ1785
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 良祐 東京工業大学, 工学院, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン / オークション / 耐戦略性 / 公平性 / 効率性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では離散的貨幣移転環境における非分割財配分の望ましい配分ルールの構築を行うとともにその条件の特定を行う。前年度の研究では同質財配分問題において非妥協的なタイブレーキングを伴うVickreyルールが弱い効率性、耐戦略性、弱い公平性を満たすことを示した。本年度はこの結果を拡張し得られた結果は以下のとおりである。 (1) 厳密な意味での耐戦略的なルールは存在しないことを明らかにした上で、財の価値と支払額を独立して分析可能な準線形効用環境において、財の獲得者に1単位分の追加的な支払いや減額を決定するマーキングという関数を導入し、分析を行なった。厳密な効率性と弱い意味での耐戦略性を満たすルールは唯一非妥協的なマーキングを伴うVickreyルールであることを示した。 (2) 通常のマッチングモデルでは財の売り手が拒否された契約の独立性(independence of irrelevant contracts)と代替性を満たす選択関数を持つとき、財の買い手にとって最も望ましい安定的なマッチングが存在することが知られている。本研究では同質財配分問題という、より分析対象が狭い問題においては、財の売り手が、収益にのみ関心を示し (revenue-lexicographic)、可能な限り多くのひとびとに財を配分し (acceptable)、かつ財の価格競争に参加している買い手間の代替性のみを考慮に入れたとき (competitive substitutability)、累積提案プロセスによって得られる配分を選択するルールが決定効率性、耐戦略性を満たすルールであることを示した。また、決定効率性と耐戦略性を満たす一般的なルールは上述した財の売り手の選択関数を伴う累積提案プロセスによって特徴づけられることも証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に問題としていた分析は終了したが、学会等から得られたコメントに基づき新たな理論分析が必要となり、当初の計画より論文の公開が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在終えている理論分析をまとめ査読付き国際論文雑誌に投稿する。また、これまでの理論分析を合わせることにより、インセンティブオークションの理論分析を実施する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外渡航が中止となったため、翌年度の旅費として繰越を行う。
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Research Products
(3 results)