• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

バーチャルリアリティーを用いた海馬の場所細胞の新しい機能の解析

Research Project

Project/Area Number 22J15487
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

立木 佑宇人  京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2024-03-31
Keywords神経科学 / 空間学習 / 海馬 / 動物行動学 / マウス / イメージング
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、海馬の場所細胞が空間中の状態遷移をコードしているという仮説を生物学的に検証することを目的としています。この目的を達成するために、仮想現実(VR)空間を用いた行動実験系と海馬のカルシウムイメージングによる神経活動計測を実施しました。今年度に実施した内容は、関連する論文の発表、VR実験系の構築、VR実験時のカルシウムイメージングによる脳活動の計測の成功、および解析方法の探求です。
具体的には、テレポーテーションという現実には起こりえない現象をVRを用いてマウスの行動実験課題に組み込み、物理空間と状態空間を分離した新奇の行動実験系を構築しました。構築したVR行動課題中のマウスの海馬場所細胞の活動パターンを、脳内視鏡を用いた神経活動イメージングによって計測し、海馬の場所細胞の神経活動が本仮説を支持するかどうかを検証しました。
今年度の発表論文では、マウスの大規模空間学習における探索戦略の違いを明らかにしました。この研究成果は、状態遷移をコードしていると考えられる場所細胞の発見に繋がる可能性があります。
今後の研究展望としては、応募時の海馬でのsuccessor representation検証のためのVR実験を続けること、病理モデルマウスを用いた探索戦略の違いの検証や神経活動の計測による深堀り、および、VRを用いたより環境がコントロールされたBM実験系の構築に挑戦することが挙げられます。これらの研究を通じて、場所細胞が状態遷移をコードしているという仮説の生物学的検証が進められることが期待されます。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題はおおむね順調に進んでいる状況にあります。主な理由としては以下の3点が挙げられます。
研究チームのメンバーが協力的であり、互いに協力し合いながら研究を進めているため、研究がスムーズに進行しています。
実験データの収集および解析が計画通り進んでおり、期待される結果が得られつつあります。これにより、研究目標の達成に向けて着実に進んでいると言えます。
研究に必要な資源や機器が適切に確保されており、予定通りの研究活動が行えています。また、研究費も適切に使用されており、研究の遂行に問題はありません。
これらの理由から、現在のところ研究はおおむね順調に進んでいると判断できます。今後もこの状況が続くことが期待されますが、予期せぬ問題が発生した場合には柔軟に対応することで、研究目標の達成を目指します。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究推進において、以下の方策を実行することで、研究課題の遂行を円滑に進める予定である。
仮想現実(VR)空間を用いた行動実験系をさらに改良し、状態遷移をコードしている場所細胞の検証に適した環境を整備する。これにより、より正確な神経活動の計測と解析が可能となる。
強化学習をベースとした数理モデルの開発を進め、状態遷移と物理空間のコーディングに関する仮説の検証に役立てる。このモデルを用いて、神経活動データの解析を行い、海馬の場所細胞がどのように状態空間をコードしているのかを明らかにする。
光遺伝学的な神経操作により、状態空間をコードしていると考えられる場所細胞の機能を調節し、行動課題の成績への影響を調査する。この結果をもとに、場所細胞の働きが状態遷移のコーディングに関与していることを示す生物学的証拠を得る。
病理モデルマウスを用いて、探索戦略の違いが神経活動や行動に与える影響を調査する。この知見は、海馬場所細胞の機能に関する理解を深めるだけでなく、神経疾患の病態解明や治療法開発にも寄与する可能性がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Scale space calibrates present and subsequent spatial learning in Barnes maze in mice2022

    • Author(s)
      Tachiki Yuto、Suzuki Yusuke、Kurahashi Mutsumi、Oki Keisuke、Mavuk ?zg?n、Nakagawa Takuma、Ishihara Shogo、Gyoten Yuichiro、Yamamoto Akira、Imayoshi Itaru
    • Journal Title

      bioRxiv

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1101/2022.12.14.520510

    • Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi