2022 Fiscal Year Annual Research Report
数理モデルによる土壌中の鉱物吸着態有機態素の動態解析
Project/Area Number |
22J22866
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 夏子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 土壌有機物 / 有機体窒素動態 / 同位体測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、酸添加実験の培養実験を実施した。その結果から、火山灰性土壌ではアミノ酸の吸着が窒素循環に強く影響していることが明らかになった。特に下層土では、アミノ酸の分解 が吸着により、有機物層の4分の1にまで低下していた。一方で、活性アルミニウム・鉄の含量だけでなく、吸着サイトの被覆度も新たに添加したアミノ酸の吸着に大きく影響していることが明らかになった。一方で脱着は土壌特性や微生物群衆の影響を受けず、吸着力の強さに主に起因しているという結果が出た。その結果をまとめた論文を執筆中である。 さらには、土壌に存在している有機物組成が新たに添加したアミノ酸の微生物利用に影響があるのかを調べるために、土壌有機物組成の分析も行った。その結果は現在解析中である。 これらの結果に基づき、吸脱着のメカニズムを解明するためにはより詳しくそのプロセスを調べていく必要があると考えている。そのため、当初計画していたタンパク質の添加実験を行うのではなく、アミノ酸を複数種類添加することで吸脱着メカニズムにのみ着目することとした。 昨年には、カリフォルニアの火山灰土壌のサンプリングを行い、これまでよりも、幅広い土壌特性を持つ土壌を利用した培養実験を行えるようになり、それぞれの土壌特性の影響が有機体窒素動態にどのように影響を与えるかについて、より明確に分析できるようになる。土壌のサンプリングは終了しているため、これから複数のアミノ酸を添加した培養実験を実施する予定である。 さらに、当初の計画よりも詳しく吸着プロセスを明らかにするための吸着実験も行う予定である。加えて、脱着プロセスを理解するための脱着実験も行う予定である。さらには、培養後の土壌中のアミノ酸の残存量と、その吸着様式や吸着力の強さについて調べるために、土壌から有機物を化学抽出し、さらに物理分画を行って、アミノ酸の行方を詳しく追うことにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでは、低分子有機窒素化合物の代表としてアラニン添加の培養実験を行っていたが、その利用速度が分子構造に起因していると考えられるため、分子量や構造が異なる複数の基質を添加した培養実験を行っていく必要があることが明らかになった。また、基質の吸着力と脱着力の評価も行う必要があると考えている。 また、タンパク質を添加した実験を行う予定であったが、同位体標識されたタンパク質が入手できなかったため、タンパク質の添加実験を実施できておらず、その代わりとなる基質を検討中である。 これらの理由により、当初考えていた実験計画を根本的に見直す必要があることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
土壌のサンプリングは終了しているため、これから複数のアミノ酸を添加した培養実験を実施する予定である。 当初の計画よりも詳しく吸着プロセスを明らかにするため、吸着実験も行う。 さらに、脱着プロセスを理解するための脱着実験も行う。 これらの結果をもとに、吸脱着プロセスに着目した詳細なモデルを構築する予定である。 そのあとに、目標としているタンパク質の脱重合を含めた総合的なモデルへと発展させることを考えている。
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Research Products
(3 results)