2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of predator-driven host selection: a case study using a goby-crustacean system and sea snakes
Project/Area Number |
22J23278
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤島 幹汰 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 採餌生態 / 対捕食者行動 / 標識再捕獲調査 / 安定同位体比分析 / 生活史 / ハゼ科 / ウミヘビ / 爬虫類 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロボシウミヘビおよび近縁種のクロガシラウミヘビの野外での採餌行動の観察と、それに伴い胃内容物の採取と標識再捕獲調査を実施した。これにより、2種において不足している生活史情報が蓄積された。クロボシウミヘビは再捕率が高く、クロガシラウミヘビは比較的低いことから前者の方が行動圏が狭い可能性が示唆された。 ケショウハゼの野外観察を行い、本種で不足している巣穴利用様式、採餌行動、繁殖行動に関する知見が得られた。 ケショウハゼの異なる捕食者に対する反応を調べるため、野外で透明な箱に捕食者(クロボシウミヘビ、ヤイトハタ)を入れて提示する実験をおこなった。しかし捕食者間での反応の違いは見られず、ハゼは明確な対捕食者行動を示さなかった。 予定していた水槽実験に関して2023年2月に水槽の立ち上げをおこない、クロボシウミヘビおよびケショウハゼの予備的な導入をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウミヘビ類の野外観察、胃内容物調査、標識再捕獲調査、安定同位体比分析を実施した。これによりウミヘビ類において不足している生活史情報が蓄積された。ウミヘビ類の採餌生態の面では本研究は順調に進行している。 また、ケショウハゼの野外観察により巣穴利用様式、採餌行動、繁殖行動に関する知見が得られた。 一方、野外観察を行う中で、当初計画していた無人潜水艇による観察を通じたウミヘビの採餌成功率の導出は調査時間の面から難しいと判断した。また、ケショウハゼの野外での対捕食者行動を調べるための実験を実施したが、明瞭な結果が得られなかった。以上よりハゼ類の共生様式の面では本研究の進行はやや遅れており、計画の修正が求められると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ウミヘビ類の採餌生態解明のための野外調査、安定同位体比分析、およびケショウハゼの生活史解明のための野外観察を継続する。ケショウハゼのクロボシウミヘビを含めた異なる捕食者に対する行動学的な応答を水槽実験により解明する。一方で、ウミヘビ類において採餌環境選択と遊泳力の関連性を探るための新たな実験として、遊泳能力の種間比較を行う。
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Research Products
(1 results)