2021 Fiscal Year Annual Research Report
紛争後アフリカにおける平和の動態:平和構築の中で発揮される地域の主体性に着目して
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21J00875
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川口 博子 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 平和 / ウガンダ北部 / 国際刑事裁判所 / 被害者 / 紛争経験 / 地域紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ウガンダでのフィールドワーク ウガンダ共和国に、2021年8月15日~9月21日まで渡航し、フィールドワークをおこなった。具体的には、国際刑事裁判所のアウトリーチ活動を担当する現地人職員にインタビューを実施することで活動の状況と課題を把握し、そのうえで地域住民に対して、生活状況、紛争経験、国際刑事裁判所に対する意見について聞き取り調査をおこなった。ただしCOVID-19のために、同地域での国際刑事裁判所による直接的なアウトリーチ活動は実施されていなかった。一方で、調査地域においけるCOVID-19の影響や人びとの日常生活に関する観察データをまとめて、フィールド報告として投稿した。 2.広域調査のためのネットワーク構築 2021年度の受入れ教員であった栗本英世教授の退職にあたり、『サバンナの彼方―栗本英世教授退職記念文集』を編集し、日本人のみならず南スーダンやオランダの研究者とのネットワークを構築した。これらの研究者たちは、おもに、南スーダンでの内戦に関する研究をおこなっている。ウガンダ北部紛争と南スーダン内戦は、地域的なつながりだけでなく、実際に反政府軍や難民が国境を越えて移動し、両国の政府もまた深く関与してきたことで、強い関連をもっている。翌年度以降には、東アフリカ全体における政治的・経済的に連関や人びとの移動による国境を越えたネットワークに着目することで、より広域的かつ詳細な研究を遂行する準備ができた。 3.分野横断型の研究のための準備 今年度をとおして、国際法学者と連絡をとり、お互いの知見を交換してきた。本研究が対象とする国際刑事裁判所の活動を理解するうえで、国際法や国際政治の知見をとりいれ、また国際刑事裁判所本部職員とも連携することによって、翌年度以降には分野横断型の研究をおこなっている土台を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19のため、当初の計画通りに現地調査を進めることはできかなったが、他分野との研究者やアフリカ人研究者との連携を強めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降、十分な現地調査の時間をとることで、2021年度に遂行できなかった研究計画を進める。また、2021年度の調査内容を論文として投稿する。
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