2022 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムフラックス法を用いた高品質窒化ガリウム結晶の高速成長
Project/Area Number |
22J10814
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 達彦 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | Na-Flux法 / 窒化ガリウム / ポイントシード |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまで、微小種結晶(PS)上に窒化ガリウム(GaN)結晶を成長させるNa-Flux PS法を用いることで、無転位かつ酸素不純物が少ない超高品質GaN結晶作製に成功してきた。しかし、当該手法では種結晶が微小であるため、PS上に成長する結晶の大口径化が困難である。そこで、本申請研究では、横方向成長速度を200 μm/h以上にすることで、短時間でデバイス作製可能な2インチ程度までの大口径化を目指した。Na-Flux法では、原料であるGa-Na融液中の窒素溶解量が律速要因となるため、成長速度向上に向けて、窒素溶解量の向上が有効である。また、窒素ガスは融液の上部から加圧しているため、気液界面の窒素溶解量が高い。この特徴を利用し、本年度の研究ではGaN結晶を気液界面付近で成長させることで、高速成長の実現を目指した。本年度では、濡れ性向上に向けて、基板の物質変化に着目して実験を行った。 これまで、Na-Flux法ではPSの基板としてサファイアを用いていた。しかし、サファイアの基板では、Na-Flux融掖に対して濡れ性が低く、PS上の原料保持が困難であった。そこで、本年度はまず濡れ性向上に向けて、サファイアを窒化させ基板の一部のAlN化を図った。具体的な実験としては、高周波加熱機でサファイア板を2000℃以上で10時間加熱し、X線の成分分析を用いて、実際のサファイア基板の変化を測定した。結果、サファイアの成分は残ったが、一部AlNのピークと見られるピークを確認することができた。次に、作製した基板について実際のNa-Flux融液に浸漬させ、浸漬跡から濡れ性を推定した。その結果、従来のサファイア基板に対して、一部AlN化したサファイア基板は8 mmほど浸漬距離が長かった。この結果から、サファイアの一部をAlN化することは濡れ性向上に向けて有効であることが分かった。 以上の結果から、今後はサファイアの一部のAlN化によって、成長速度の向上に期待したい。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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